八条学園騒動記
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第六百三十話 時代も場所も越えてその十一
「酔いを一気にね」
「醒ますの」
「酔い醒ましのお薬を飲むよりも」
飲むと多くの汗をかいてすぐに酔いが醒める薬だ、この時代の酔い醒ましの薬にはこうしたものもあるのだ。
「ぶっかけるかね」
「漬けるのね」
「それで一気にね」
「酔いを醒ます」
「それがモンゴルよ」
「急に冷たいお池に漬けたら心臓に悪そうね」
コゼットはここでこのことを心配した。
「大丈夫かしら」
「モンゴル人は頑丈だからね」
「草原で暮らしているから」
「だからね」
「大丈夫なのね」
「そうしたことをしてもね」
特にというのだ。
「死なないわよ、それどころか酔いがね」
「一気に醒めるのね」
「そうなのよ」
「荒療治ね」
「モンゴルじゃ普通だけれどね」
「ええ、ただロシアだと」
コゼットはここでまたこの国の話をした。
「普通にサウナだからね」
「お酒の酔い醒ますのにね」
「飲んですぐに入らなくても」
「翌朝ね」
「入って思いきり汗かいて」
サウナでというのだ。
「それで水風呂に入って」
「またサウナに入ってね」
「それで酔いを醒ますけれどね」
「サウナって二日酔いに凄くいいのよね」
「あそこで汗をかいてね」
そしてというのだ。
「すっきりしたら」
「水風呂も入って」
「そうしたらね」
「それまでの気分の悪さが嘘みたいになるのよね」
「そうそう」
「私もこっちに来てね」
日本に留学する様になってだ。
「サウナよく入る様になったけれど」
「やっぱり草原じゃないわよね」
「折り畳み式のお風呂はあってサウナもあるけれど」
それでもというのだ。
「うちにはないから」
「だからなのね」
「サウナに入ったことはね」
素行モンゴルにいる間はというのだ。
「なかったのよ」
「そうだったのね」
「けれどね」
それでもというのだ。
「今はね」
「よく入るのね」
「学校の中にもあるしね」
「それでそこに入ったり」
「あと街のお風呂屋さんでも」
そちらでもというのだ。
「入ってるわ」
「サウナ好き?」
「結構ね」
「やっぱりそうなのね」
「汗かいてすっきりするから」
だからだというのだ。
「好きよ」
「そうなのね、私もね」
コゼットもというのだ。
「実はね」
「コゼットも好きなの」
「サウナで汗かいたら悪いものが出るから」
身体の中のそれがというのだ。
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