八条学園騒動記
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第六百三十話 時代も場所も越えてその十
「もう力の制御もね」
「しなくなってるから」
「だからね」
それ故にというのだ。
「もうね」
「暴れだしたら」
「その瞬間で皆で取り押さえてね」
「縛るのね」
「それで頭からお水ぶっかけるのよ」
「ワイルドね」
「モンゴルじゃ普通よ」
そうしたことをすることはというのだ。
「そのままお池に放り込むもね」
「縛ってたら溺れ死ぬでしょ」
「いや、漬けるだけだから」
池の中にというのだ。
「大丈夫よ」
「そうなの」
「それでそうしてね」
「暴れない様にしているのね」
「只でさえ大柄で力も強いのに」
それでもというのだ。
「酔うと今言った通り力のセーブがね」
「なくなってるから」
「洒落になっていないから」
だからだというのだ。
「そうしてるの」
「成程ね」
「お母さんの一番上の弟さんでね」
「叔父さんね」
「普段は明るくて優しくて働き者だけれど」
「酔うとなのね」
「もう暴れるから」
今話した様にというのだ。
「そこが困るのよね」
「まさに玉に瑕ね」
「そうなの」
こう言うのだった。
「大騒ぎしてね、ただね」
「ただ?」
「大暴れしてもナイフとか抜いたりものは投げないから」
「それはしないの」
「ものは持たないでね」
それでというのだ。
「手足を振り回すだけだから」
「ましなのね」
「これがものを持って暴れたら」
「最悪よね」
「人を狙って攻撃もしないから」
「ただ暴れるだけなの」
「そう、だからね」
そうした暴れ方だからというのだ。
「皆わかってるから暴れそうになったら」
「皆で取り押さえて」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「縛るの」
「それから頭からお水浴びせるのね」
「それで時にはね」
「お池に漬けるのね」
「お酒にはお水だからね」
だからだというのだ。
「そうしてるの、モンゴルじゃ普通よ」
「酔った人にそうするのは」
「そう、至ってね」
「そこは他の国と違うわね」
「お国柄ね」
モンゴルのそれだというのだ。
「草原の国だから」
「自然と一緒にいるから」
「やることも他の国から見れば」
「ワイルドなのね」
「そう、ワイルドにね」
他の国から見ればというのだ。
「そうしてるのよ」
「そうなのね」
「それでね」
ナンはコゼットにさらに話した。
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