八条学園騒動記
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第六百三十話 時代も場所も越えてその二
「チンギス様だから」
「英雄の中の英雄で神様でもあるから」
「それも主神だから」
それだけにというのだ。
「モブなんてね」
「ないのね」
「絶対にね」
それはというのだ。
「モンゴルだとね」
「本当に扱い凄いわね」
「馬鹿にするなんて」
それはというと。
「天地がひっくり返ってもね」
「ないことなのね」
「モンゴルではね」
「兎角モンゴルでは特別なのね」
「それで悪く描かれることも」
「ないのね」
「こちらは何があってもないわ」
悪役になることはというのだ。
「常に最高のヒーローであられるのよ」
「他の知的生命体に勝つ位の」
「そうなの、威風堂々スポーツ万能頭脳明晰成績優秀容姿端麗で」
「人望もあるのね」
「老若男女からモテモテのね」
「欠点のない存在ね」
「欠点なんて一つもないわよ」
それこそというのだ。
「チンギス様にはね」
「言い切ったわね」
「ある筈がないわ」
言葉には淀みがなかった。
「あの方には」
「また言い切ったわね」
「だって事実だから」
「そう言う根拠は?」
「あれだけの大帝国を瞬く間に築かれたのよ」
そうだからだというのだ。
「もうね」
「完全無欠のヒーローなの」
「英雄中の英雄で主神なのに」
それならというのだ。
「一つもないわ」
「欠点は」
「何億もの長所があられて」
長所はそれだけでというのだ。
「欠点はね」
「全くないのね」
「そうよ、だからね」
「今もそう言うのね」
「私にとっても心のお父さんでお祖父さんで」
血縁上の父や祖父はいてもというのだ」
「ひいお祖父さんでひいひいお祖父さんで」
「四代にも渡るの」
「心のお兄さんで心の彼氏よ」
「全部なのね」
「それで結婚したら」
そうなると、というと。
「心の夫にもね」
「なるのね」
「そして私だけじゃなくて」
「他の人達もなのね」
「モンゴルの全女性にとってそうよ」
チンギス=ハーンという人物はそうだというのだ。
「例え現実で一緒になれなくても」
「心でなのね」
「そうなっているのよ」
「凄い存在ね」
「男の人にとっても同じよ」
「モンゴルでも同性愛あるの」
「あるけれどそうした意味でなくて」
同性愛ではなくというのだ。
「お師匠様になるわ」
「心の師なの」
「お父さん、お祖父さん、ひいお祖父さん、ひいひいお祖父さんで」
「お兄さんで」
「そしてお師匠でもあられるの」
彼氏や夫でなくというのだ。
「あの方は」
「本当に何でもなのね」
「そうなの、それで欠点なんてね」
それはというと。
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