夢幻水滸伝
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第二百十一話 陸戦においてもその十三
「いやあ、やるな」
「自分ほんまにシルキーのサイオニックか」
ティンは先程まで豹の如き凄まじい攻撃を繰り出していたズーに言った、言いつつ噛まれた右腕を術で治療している。
「今の噛み付きはドラゴンの鱗も破ってるで」
「ベトナム女は喧嘩になったら噛むこともするんや
「猛獣か」
「いざとなったら猛獣みたいに強いんや」
「それで自部jんもか」
「こうして戦うんや、術だけやなくてな」
それに加えてというのだ。
「爪に牙もな」
「使ってか」
「闘うんや」
「サイオニックでもやな」
「そしてシルキーでもな」
この種族でもというのだ。
「そや」
「シルキーは海豹の毛皮被ってるから海豹やろ」
「ヒョウアザラシもおるやろ」
この世界にも棲息している海豹である、極めて狂暴である。
「そやろ」
「あの海豹か」
「海豹といっても色々でな」
「自分はあの海豹か」
「毛皮自体はゴマフアザラシやけどな」
北極海等にいる海豹である、真っ白な姿の子供が有名だ。
「それでもや」
「中身はそれか」
「本気で戦う時はな」
ヒョウアザラシになるというのだ。
「そういうことや」
「そうか」
「ただ海豹やペンギンは食べへんで」
ヒョウアザラシはそうした生きものを食べる、南極の猛獣であり人が襲われ怪我をしたという話もある。
「好きなんは生春巻きとビーフンや」
「それでコーヒー派やな」
「甘くしたな」
「それは何より、しかしな」
「それでもやな」
「それがしは豹狩りが得意や」
この獣をというのだ。
「こっちの世界では結構やっつけて軍門に降してる」
「道理で国家連合軍に豹が多い筈や」
見れば獣やモンスターも多くいる、この世界での戦は人だけではなくそういった生きものも積極的に導入しているのだ。
「虎も多いけどな」
「全部それがしが降したんちゃうがな」
「それでも豹退治は得意か」
「そやからな」
「あたくし様も倒すか」
「そうしたるわ」
こう言ってだ、ティンは。
音波の術を放った、それでズーを攻撃するが。
ズーは左に動いてかわした、そしてそこから隕石の術を放ち。
再び突進しティンを爪で切り裂かんとしたが。
ティンはそのズーに隕石を前に跳んでかわしてから九環錫杖の突きを流星の如く繰り出した、そうしてズーを倒そうとするが。
ズーは突進しながらも前に跳んで空中で宙返りしてティンの後ろに着地した、そしてそこからであた。
ティンの背中に跳び蹴りを仕掛けた、その跳び蹴りに。
ティンは屈んでかわした、そのうえで己の前に着地したズーに言った。
「紙一重の連続やな」
「お互いの職業を越えてるな」
「格闘ではな」
「術はそのままやけどな」
「お互いな、自分職業間違えてるわ」
「それはあたくし様の言葉や」
ズーは再び身構えつつ言った。
「その技量見事や」
「神具もあるしな」
「その神具での一撃受けたら」
その時はというと。
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