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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第百七話 曹操、司馬尉に詰め寄るのことその七

「夏侯淵は当然知っていたけれど他の将は知らなかったわよ」
「それで私をというのね」
「思えば不思議ですわね」
 袁紹はいささか嫌味を込めて司馬尉に言った。
「貴女は董卓さんの乱の時何処にもおられませんでしたわね」
「身の危険を感じて身を隠していたのよ」
「何処に?」
「私の隠れ家に」
 そこにだと。やはり平然として答える司馬尉だった。そこには悪びれたものも卑屈なものも一切ない。そうした中で言うのだった。
「そこが何処かも言うべきかしら」
「是非聞きたいわね」
 また曹操が問う。間合いは離れてはいるがまさに一触即発だった。
 花火を散らしながらだ。お互いに言うのだった。
「一体何処にいたのかしら」
「お話して頂けるかしら」
「そうね。では」
 悠然とさえした笑みを浮かべてだった。司馬尉は。
 ゆっくりと口を開いて。こう言ったのであった。
「闇の中に」
「闇!?」
「やはり」
 ミナとナコルルがだ。それを聞いてだ。
 すぐに血相を変えてだ。身構えてだ。
 周囲にだ。こう告げた。
「彼女はやはり」
「異形の存在です」
「只者ではないわ」
「間違いなく」
「そうよ。司馬家は狐の血を飲んだのよ」
 司馬尉はこのことをだ。ここで言ってみせたのだった。
「九尾の狐の血をね」
「九尾の狐!?」
「あの商と周を滅ぼした」
 それを聞いてだ。誰もがだ。
 驚きを隠せずだ。蒼白になり身構えた。
 その彼等の中にいてもだ。司馬尉は態度を変えない。それでだ。
 余裕を保ったままだ。彼女はまた言ってみせた。
「そうして絶大な力を手に入れたのよ」
「闇の力やな」
 あかりはその力をこう表現した。
「あの狐は最悪の魔神の一つやからな」
「そちらの世界でもあの狐はいるのね」
「そうや、あの狐は只者やないで」
 まさにそうだとだ。あかりはまた話す。
「国を幾つも滅ぼしたまさに魔神や」
「その魔神の血を飲みそれでなのよ」
「力を手に入れたんか」
「司馬家のことがこれでわかったかしら」
「そういうことね。話はわかったわ」
 曹操はここまで聞いてだ。それでだ。
 あらためてだ。こう司馬尉に述べた。
「貴女達はその力を使って代々この国の高官でいてそうしてなのね」
「機会を窺っていたわ」
「この国を滅ぼすのをなのね」
「察しがいいわね。そうよ」
 司馬尉はこのことも隠さなかった。
「魔神の血だけじゃないわ。私自身もね」
「それを望んでいますのね」
 袁紹はこの時帝の前であることを残念に思った。何故かというとだ。
 今すぐに司馬尉を斬り捨てたいと思ったからだ。だがそれが出来ずにだ。
 あえてだ。劉備に対して言うのだった。
「貴女自身も」
「言っておくわ。私はオロチや白装束の者達とも手を結んでいるわ」
「言ったわね」
「もう隠すことはしないわ」
 またそうだというのである。
「隠す必要はないから」
「では。いいわね」
「その言葉、全て謀反を見なしますわ」
 曹操と袁紹が共に言いだ。
 それでだ。二人は周囲に顔を向ける。そこには当然ながら劉備もいる。 
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