ライブジャスティスシリーズ
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アドヴァンス・ゼロ
五河コネクト/幻術の影
「眼を……覚まして……」
何かの声に導かれるように、少年、五河士道は眼を覚ます。
気が付けば、そこは大国のような未知の世界、多くの少女たちが足元にいるその場所が城であると気付く。
士道「ここはどこだ?皆は一体?」
???「ふふっ、驚いた?」
悪戯な笑みを浮かべ、園神凜祢の姿でファントムが現れる。
士道「ファントム、これは……」
ファントム「ここは隣界の第10領域、そしてここは私が拠点にしている支配者の城。特別にあなたを連れてきたの」
士道「ここが隣界なのか?少し思ってたのと違うな……」
ファントム「元々ここは力があるものが全てを手にする理不尽な世界だったけど、彼女たちに恋心と言う感情を教えて何とか町として機能してるの」
ファントムのその言葉に士道は少し引っ掛かる、当然その恋心を抱いているならその相手となる誰かがいるはずだからだ。
士道「その恋心って、誰への恋心だ?」
ファントム「精霊に好かれている唯一の存在の名前を答える必要はないでしょ?」
士道「やっぱりな、知らぬ所でまた俺は精霊の女の子口説いていたのか。面倒な……」
目の前でクスクスと笑うファントム、士道もまた自分に降りかかる厄介事を心のどこかで受け入れつつ笑顔を返す。
士道「それよりも、なんでここに俺を呼び出したんだ、それ相応の理由があるんだろ?」
ファントム「一つだけ、教えてあげようと思って」
ファントムは士道に説明を始める。
ファントム「アドヴァンス・ゼロシステムは私の霊結晶を組み込むことで初めて完成する」
士道「何だって!!」
ファントム「アドヴァンス・ゼロシステムはただのウルトラマンスーツのシステムじゃない。その本質はあなたをベースに精霊の力を直接リンクさせる事で全ての天使を完全顕現させる疑似霊装のプロトタイプ。それがゼロスーツよ」
士道は自らが使っていたゼロスーツの秘密を知り、それが隣界由来の力であることを知る。
士道「そんな事、どうしてファントムが知ってるんだ?」
ファントム「言ったでしょ?すぐ近くでその時を待ってるって、忘れないでよ、シン……」
士道(その声、ま、まさか……)
ファントムは指を鳴らすと一つの扉を出現させる。
ファントム「話は終わり、皆の元に戻っていいわ。さあ、この扉を開けて」
士道「そう言う移動方式なのか……」
デジャヴを感じながらも重い扉を開け、光の先に進んでいくと……
元の世界に戻っていた、廃墟の中を歩きだすと左の方向で爆発音が鳴り響く。
士道「こ、これはッ!!」
士道はポケットからインカムを取り出し、ライブジャスティスと通信を取る。
士道「琴里、聞こえるか!!」
琴里「士道、良かった、無事なのね!!」
士道「俺は大丈夫、今、何が起きているんだ」
琴里「第3シェルターに怪人が出現、セブンとバーナビーが応戦してるわ。士道が何してたかは今は問い詰めないけど、すぐにメンバーと合流して作戦に参加して」
士道「わかった、すぐ向かう」
士道はウルティメイトブレスレットを起動させる。
「アドヴァンス・ゼロシステム、タイプワン!!」
ゴーグルを装着し、スーツを身に纏うと同時に周囲の電線が衝撃で揺れる。
「ウルトラマンスーツ verゼロ」
士道「行くぞ」
スペシウムエネルギーを応用したジェットシステムで空を飛び、現場へと向かう。
その一方で現場ではセブン率いる作戦部隊が謎の怪人相手に応戦していた。
ズガガガ、
セブン「こいつ、瞬間移動でちょこまかと!!」
まるで部隊を嘲笑うかの様にサイコ能力を駆使し、翻弄する謎の術師。
バーナビー「貴様!!」
殴りかかろうとするが逆に背後を取られ、紫のオーラでバーナビーを動きを封じてビルに投げ飛ばした。
セブン「バーナビー!!」
ビルに衝突する次の瞬間
ゼロ「贋造魔女!!」
青い閃光が横切ると同時にビルの上階が羊のぬいぐるみに変わり、バーナビーは間一髪助かった。
そして青い閃光は地面に拳を叩きつけ、周囲に衝撃波を与えながらウルトラマンゼロがその姿を現す。
全身をスペシウムエネルギーで光を放ちながら、ゆっくりと立ち上がった。
ゼロ「あんたか、デウス・エクス・マキナの差し金は?」
ゼロの目の前に緑のエネルギーと共にセブンたちを苦しめた怪人が現れる。
シャドー「そなたが主君の口にしていた、ゼロとやらか」
ゼロ「次はエセ僧侶か何かか?」
片手の水晶が特徴的な派手な格好の白髪の老人、顔は死面の様だ。
シャドー「これは失礼、拙僧は超力支配術師 シャドーミステリオス。そなたの未来、ここで終わらせ、極楽浄土・輪廻転生の救いを授けよう」
ゼロ「残念だけど、死が救いかどうかを決めるのは俺でもないしそれを決めるのもお前じゃない」
ゼロは左手から霊結晶を取り出し、ゼロスーツの胸部アーマーを変形させる。
セブン「何をするつもりだ?」
士道はカラータイマーに霊結晶をはめ込むと同時に、全身のスペシウムエネルギーを最大加速させる。
バーナビー「ゼロスーツの色が、変わっていく……」
そしてその姿は赤色へと変わり、ゼロは天使を召喚する。
ゼロ「絶滅天使」
シャドー「その姿は……」
ゼロ「アドヴァンス・ゼロ タイプ ストロングコロナ」
シャドー「なんだこれは、未来予測が出来ん!!」
ゼロ「この霊結晶はあらゆる世界の物理法則を否定し、全て俺の手によって法則を操れる」
シャドー「な……」
ゼロ(ファントム、お前の力、存分に使わせてもらう)
ゼロは拳に炎を纏い、シャドーと間合いを詰めて殴りかかる。
シャドー「そのような単調な攻撃など……」
シャドーは瞬間移動でゼロの背後を取ろうとするも……
ゼロ「俺の方が早かったな」
ドッゴオオォォォ!!
シャドー「うあああああああ!!」
横からのナックルにメタトロンのレーザー光線を受け、シャドーは顔の半分を失いながら立ちあがる。
シャドー「バカな、拙僧の瞬間移動がなぜ……」
ゼロ「言ったはずだ、世界の物理法則を否定したと、そして能力を使ったと思い込んでるが……
始めからお前はずっと同じ場所から何一つ動いていないッ!!」
シャドー「そんな、そんなことがあるものか!!」
狼狽えるシャドーにゼロは宣告する。
ゼロ「ウルトラマンゼロがいる限り、この世界は本当の意味でありとあらゆる世界の常識は否定され、同時に人はそれを無意識に操作される。つまり常識すら上書きし、世界の根底すら覆す神の力。
運命すら書き換える虚無、それがアドヴァンス・ゼロシステムだ」
ゼロは刻々帝を手に立てなくなったシャドーに突きつける。
ゼロ「最後に言い残す事はあるか?」
シャドー「黒き王に、勝てると思うな」
ゼロはその言葉を聞いた数秒後、街に響く銃声と共に戦いは終結した。
ゼロ「……」
セブン「お前、本当に士道なのか?」
ゼロ「ぐ……」
突如として頭を抱え、その場に倒れ込むゼロ。
変身が解け、セブンたちに介抱される。
セブン「おい、何があった?」
士道「今のは……誰だ……」
士道の脳裏に浮かんだのは……
一人の少女と、自分に似た誰か……
記憶にないその存在に、士道はただ考える事しか出来なかった。
デウス・エクス・マキナ 社長室
アイザック「ウルトラマンゼロ、実に面白い力じゃないか」
ワインを片手に映像を見直すアイザック。
アイザック「だが、この力は完全な物じゃない。恐らくは……」
彼はスクリーンをタップし、謎の文献を表示する。
アイザック「始原の……精霊……か、フフフ」
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