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夢幻水滸伝

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第二百十話 マレー沖の海戦その九

「戦うしかない」
「そや、ほなな」
「これからやな」
「突っ込むで」
「砲撃も術の攻撃も来てるがな」
「周りに次々と着弾が起こる、爆発もだ。リサールはそうしたものを冷静に見つつテレサにさらに話した。
「このままな」
「突っ込むで」
「そやな、ほなこっちも術でな」
「まずは敵の攻撃を防ぐで」
「こうしてな」 
 リサールは防壁の術を放った、それでだった。
 乗艦の前に来た敵の砲弾を防いだ、そのうえでさらに進ませた。
 リーは自軍の右翼に向かって来る敵軍を見て貝殻で戦艦シンガポールに乗ってるアルフィアンに対して話した。
「ここはな」
「はい、中央と左翼の艦隊も動きますね」
「中央の艦隊は右翼の艦隊と合流してな」
「右翼の艦隊を助けますね」
「そうする、そして左翼の艦隊はな」 
 続いて彼等の話をした。
「敵艦隊の後ろに回り込んで」
「挟撃ですね」
「そうする、そしてそこから囲んでな」
「一斉砲撃とですね」
「術の攻撃でな」
 この二つの攻撃でというのだ。
「倒すで」
「そうしますね」
「数を使ってな、そしてや」
 リーはさらに言った。
「私は今から神船で右翼に向かう」
「援軍に行きますか」
「そや、敵が向かって来てるさかいな」
 それ故にというのだ。
「ここはな」
「中央の艦隊があちらに到着するまでに時間がかかります」
「神船は空を飛ぶ、それもかなり速くな」
「それですぐに右翼に合流出来る」
「そして合流したら」
 その後のことも話した。
「神船の攻撃とな」
「十絶陣と術ですね」
「この三つで戦う、神船は私の思いのままに動く」 
 そうした神具なのだ、速度も高度もそして攻撃もだ。ただしそのどれもリーの能力と比較して限度がある。
「そやからな」
「ここはですね」
「私がまず行く」
「そうして戦われますか」
「戦は出来る限り損害を出さんで勝つ」
 リーはこの言葉を強い口調で出した。
「そやな」
「はい、確かに」
 その通りだとだ、アルフィアンも答えた。
「そのことは」
「そやからな」
「ではその為に」
「今から行って来る」
「わかりました」
「こっちの指揮は私が執る」
 ロシティーが乗艦である戦艦バンコクから言ってきた。
「中央の艦隊はな」
「そうしてくれるか」
「ああ、そやからな」
「私はやな」
「敵に今から向かってな」
 そうしてというのだ。
「戦ってくれ」
「ほなな」 
 こう話してだった。
 リーは神船に乗って敵軍に向かった、十絶陣もそこに向かわせたが今度は敵軍の左右に展開させた。
 攻撃をはじめた、リーは砲撃を見つつ同乗している者達に言った。
「この砲撃も特別や」
「砲弾が複雑な動きをしますね」
「まるで誘導されている様に」
「事実そうされてる」
 誘導されているというのだ。 
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