八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三百二十七話 お餅つきから帰ってその二
「それで、です」
「むしろですね」
「簡単な言葉や文章でわかりやすい」
「その方がいいですね」
「小林秀雄です」
「あの人の文章はわかりやすいですね」
読むとだ。
「専門知識は必要ですが」
「ある程度の教養がです」
「読むにあたって必要ですけれど」
「ですがそうしたものがあって読むと」
それならだ。
「わかりやすいです」
「そうですよね」
「宮沢賢治も同じです」
「童話ですし」
このこともあってだ。
「それで、ですね」
「はい、非常にです」
「わかりやすいですね」
「そうです」
こう僕に話してくれた。
「ですから宮沢賢治は」
「どの作品を読んでもいいですね」
「その内容も素晴らしいですから」
「最後が悲しい作品が多いですが」
グスコープドリの伝記なんかがそうだ、その自己犠牲は多くの人を救ったけれど読み終わって悲しい気持ちになる。
「それでもですね」
「読むと心に入って」
「そして残って」
「糧になりますね」
「はい、本当に」
「そうした作品なので」
宮沢賢治の作品はというのだ。
「非常にです」
「読んでいいですね」
「私もお勧めです」
「だから読んでいいですね」
「はい、是非お読み下さい」
僕に微笑んで話してくれた。
「司馬遼太郎や三島由紀夫もいいですが」
「宮沢賢治もですね」
「読むと多くのものが得られます」
「だからいいですよね」
「読んで楽しくわかりやすく」
「そういえば三島由紀夫の作品も」
畑中さんが今お話に出したこの人もだ。
「文章はかなり独特ですが」
「華麗と言うべきですね」
「はい、ですが読みやすくて」
そしてだ。
「わかりやすいですね」
「左様ですね」
「それがいいですね」
「司馬遼太郎もわかりやすいですね」
「そうですよね、面白いですし」
「こうした作品は是非です」
まさにというのだ。
「読むべきです」
「哲学書よりずっといいですね」
「そうです、哲学書を読まずとも」
例えそうしてもというのだ。
「生きられますし教養もです」
「備えられますね」
「無駄に難しい何を言っているかわからない文章で」
「それで中身がないなら」
「もう読むものではありません」
「だから哲学書は」
「読まずともいいのです」
それよりも小説をとだ、畑中さんは僕に話してくれた。
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