夢幻水滸伝
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第二百十話 マレー沖の海戦その一
第二百十話 マレー沖の海戦
シェリルはフィリピンとベトナムから来た使者に対して同盟締結を約束し使者をもてなして帰らせた後でダーガーに言った。
「これでや」
「はい、東南アジアの二国と同盟を結び」
「国家連合と対することになった」
「左様ですね」
「別に国家連合とは衝突してへん」
「むしろです」
ダーガーはシェリルに述べた、今は朝食を二人で向かい合って座って摂っている、ベーコンエッグとトーストをフルーツジュースと共に口にしている。チーズとスライスされたトマトもあってそれ等も食べている。
「貿易を盛んにしていて」
「お互いに栄えてるな」
「左様ですね」
「そやから戦をする必要はないけど」
「それでもですね」
「南洋の覇権、統一を果たすなら」
それならというのだ。
「やっぱりな」
「戦をしないといけませんね」
「そういうことやな、ほなな」
「これよりですね」
「戦の用意や」
こう述べた。
「それに入るで」
「そうしますね」
「これからな、それであの二国やが」
フィリピンとベトナムのことも話した。
「強いことは強いけどな」
「それでもですね」
「勢力差が圧倒的や」
国家連合とのそれがというのだ。
「そしておそらく国家連合はあっちに向かう」
「こちらが動く前に」
「私等が戦の用意に入って」
シェリルはトーストにラム酒入りのマーガリンをたっぷりと塗りつつ述べた。
「それが整う頃にはな」
「二国は敗れてですか」
「降ってるわ」
「そして東南アジアは統一され」
「そうしてな」
そのうえでというのだ。
「こっちに向かって来るわ」
「そうなっていますね」
「東南アジアの人口は七億以上」
「対するこちらは二億を超えていますが」
「人口比がちゃう、そしてな」
シェリルはマーガリンを塗ったトーストを食べつつ言った。
「星のモンもや」
「数がちゃいますね」
「こっちは七人、対してな」
「あちらは十五人」
「そや、倍以上や」
「劣勢は明らかです」
「その東南アジアにどう勝つか」
トーストを食べながら自分のチーズをちらりと見て述べた。
「これからな」
「それが問題ですね」
「そういうことや、しかしな」
「それでもですね」
「勝つことは出来る」
劣勢は明らかだが、というのだ。
「策はある、ただな」
「その策をですか」
「どう読まれん様にするかや」
ダーガーの目を見据えて述べた。
「それがな」
「重要ですね」
「リー君は頭が切れる」
「学識だけやないですね」
「太平洋は神星が十人おって」
星の者の中でも最も力の強い十八人のうちの十人がというのだ。
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