ドリトル先生と幸せになる犬
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第五幕その三
「世の中あまりにも人間性が酷く」
「それで、ですか」
「生きていてはいけない」
「そうした人もいますか」
「生きているだけで害毒を垂れ流し迷惑を撒き散らす」
そうしたというのです。
「碌でもない人もいます」
「生きものや人を虐待する人もで」
「はい、人間として徳分を備えることも磨くこともせず」
「悪徳ばかり身に着ける人もですね」
「います、創作でもそうした人は出ますが」
先生は文学のことも思い出しました。
「ですが」
「現実でもですね」
「そうした人はいます、自分だけしかなくて」
「自分以外の命を平気で踏み躙る」
「そんな人達もいるのです」
「それはですね」
スタッフの人はここまで聞いて言いました。
「その娘、ふわりちゃんでしたね」
「はい、そうです」
「ふわりちゃんの前の飼い主の人達も」
「若しかしてです」
「そうした人達かも知れないですか」
「そうかも知れないですね、そうではないとです」
その様にというのです。
「思いたくないですし」
「反省もですね」
「僕はして欲しいです」
そう考えているというのです。
「実は」
「そうですか、ただふわりちゃんはペットショップにいたんですね」
「そうです」
「そのお店はわかりますか」
スタッフの人は先生に尋ねました。
「生体販売自体に問題があると言えばありますが」
「それでもですね」
「心あるお店ならこうしたことをお話しますと」
「対応もですね」
「検討して実際にです」
「実行に移してくれますね」
「そうしてくれるでしょうから」
「わかりました、では今の飼い主の人達に聞いてみます」
ふわりの今の飼い主の人達にとです、先生も答えてでした。
実際にふわりの今のお父さんに電話で聞きました、するとご主人は先生にふわりの血統書からふわりがいたお店だけでなくです。
ふわりの実の両親とその両親の飼い主まで調べました、血統書にふわりの両親とその飼い主それにふわりがいたお店まで書いてあったのです。有り難いことにそうした血統書だったのです。
それで先生はまずはふわりがいたお店に行くことにしましたが。
ここでチープサイドの家族が言いました。
「ふわりって血統書あるんだ」
「そうした娘なのね」
こう言うのでした。
「だから百万近くしたのね」
「そのこともあって」
「血統書があるとね」
どうかとです、ポリネシアも言いました。
「やっぱりペットとしては価値が出るわね」
「ティーカッププードルの女の子は人気があるし」
こう言ったのはトートーです。
「やっぱり値段も結構だね」
「お金のお話じゃないけれど」
それでもとです、ガブガブは思いました。
「けれどね」
「そこまでして買った娘捨てる?」
ダブダブはそれがわかりませんでした。
「そもそも」
「おもちゃでも高いものだと大事にするよ」
ホワイティも言います。
「それを飼育放棄してポイとか」
「元々ものの有り難さもわかってなかったんじゃなかな」
チーチーは首を傾げさせました。
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