ドリトル先生と幸せになる犬
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第五幕その一
第五幕 ボランティアの人のアドバイスで
先生は大学で学問を行いながら保護された生きものの為にボランティアもしています、その中で保護された犬や猫の去勢や不妊手術にです。
健康チェックもしています、今日はボランティア団体の施設で健康診断をしていますがその時にでした。
団体のスタッフの人が先生からふわりのお話を聞いて暗いお顔で言いました。
「そうしたことはです」
「ありますね」
「残念ですが」
今も動物の皆と一緒にいる先生に答えました。
「そうです」
「左様ですか、やはり」
「イギリスでもありますね」
「はい」
先生も残念なお顔で答えました。
「僕の祖国でも。そしてです」
「他の国でもで」
「日本でもですね」
「中には自分が旅行に行きたいから」
たったそれだけの為にというのです。
「猫を保健所に送るなんて人もです」
「それはあんまりですが」
先生だけでなく動物の皆も嫌なお顔になりました、先生はその中でスタッフの人に答えました。声も暗くなっています。
「やはりです」
「そうした人はですね」
「何処でもいますね」
「やはりそうですね」
「人間の嫌な面の一つです」
「この人は保健所の人に殺処分されると言われてもです」
自分が旅行に行きたい為にというのです。
「平気で。娘さんが泣いてもです」
「可愛がっている猫が殺されるからですね」
「娘さんに怒鳴ったそうです」
「ご自身のですか」
「そうです、旅行か猫どちらか選べとです」
その様にというのです。
「怒鳴って迫ったそうです」
「最早人間ですらないですね」
先生はそのお話を聞いて確信しました。
「その人は」
「鬼畜や外道と呼んでいいですね」
「そう思います」
先生も答えました。
「実際に」
「そしてその人の奥さんも」
その人だけでなくというのです。
「また新しい猫を飼うと」
「娘さんに言いましたか」
「そうです」
「その夫婦は生きものを二度と飼ってはいけません」
先生は言い切りました。
「そして出来れば娘さんもです」
「引き離すべきですね」
「生物学的に親であっても」
それでもというのです。
「人間としてです」
「親になれないですね」
「とてもです」
そうした人だというのです。
「命を全く何とも思っていません」
「そうした人に子育てはですね」
「出来る筈がありません」
全くというのです。
「そしてです」
「さらにですか」
「その夫婦は注意して見ておいて下さい」
そうしないといけないというのです。
「そこまで命を粗末に出来て娘さんにも冷酷なら」
「それならですか」
「もうどんな悪事をしても平気です」
そんな人達だというのです。
「自分達以外は何とも思っておらず倫理観もです」
「ないですか」
「サイコパスの可能性すらあります」
先生は心理学者で精神科医でもあります、その立場から言いました。
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