夢幻水滸伝
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第二百九話 魔法学校の主からその十
「国を治める為にな」
「まず治水でした」
「黄河のな」
「黄河を使って中国は文明を築きました」
だから黄河文明と言われているのだ。
「しかしこの黄河はよく氾濫しました」
「それで治水が重要というかな」
「絶対でした」
「そやったな」
「だから僕達もです」
「治水はせんとな」
「そうです、産業や教育の育成と並んで」
そうした政策と共にというのだ。
「インフラは絶対で」
「そのインフラの中でもな」
「治水は重要です、滅多に災害なぞ起こらないと言って怠ると」
予算の削減にしてもだ、これは二十世紀初頭の日本の左翼政党が政権に就いた時に実際にしたことである。
「取り返しのつかないことになります」
「そやな、それこそな」
「政においては愚行の極みです」
それに他ならないというのだ。
「ですから」
「このメコン川の治水もな」
「しっかりとしましょう」
「他の政もしながらな」
「そうしていきましょう」
「ほなな」
ズーはカイの言葉に頷き治水もしていった、国家連合との衝突の時が迫っていることをひしひしと感じながらも。
人手も技術も予算もかなり使っての治水だった、だが。
「こうしたことにはな」
「はい、遠慮なくです」
カイもこう応えた。
「人も技術もお金もです」
「投入してな」
「ことを進めるべきです、千年に一度の災害への対策なぞ不要としますと」
「世の中不思議なもんや」
ここでズーは真剣な顔で述べた。
「そう言った時こそな」
「災害は起きます」
「そうしたとんでもない災害がな」
「そうです、洪水や大雨、台風はです」
そうした災害はというのだ。
「例え僕達星の者でも」
「風水師の子でもな」
「ある程度抑えられても」
「自然を操ることが出来てもな」
「あくまである程度で」
その域でというのだ。
「全てはです」
「抑えられんな」
「百の力のうちのどれだけを抑えられるか」
「半分抑えられたら凄いな」
「その半分だけ抑えられても被害はかなリ抑えられてです」
そうなってというのだ。
「かなり有り難いことですが」
「それでもやな」
「全てではないです」
「そやな」
「僕達星の者も万能ではありません」
カイはこのことは強く言った。
「決して」
「その通りやな」
「そうです、神に等しい力を持っていても」
それでもというのだ。
「神とは違います」
「人や」
「はい、人の出来ることは限られています」
例え絶大な力を持つ星の者であってもというのだ。
「ですから」
「災害も抑えられん」
「そうです、ですから政としてです」
「対策が必要でな」
「治水もです」
これもというのだ。
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