八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三百二十六話 歯は大事その三
「覚醒剤やって歯が全部なくなって」
「一本もなの」
「なくなって」
そしてだ。
「総入れ歯になったけれど」
「怖いわね」
「その入れ歯に誰かが何か言ってるとか言ってね」
「それって電波よね」
「まさにそれを受信してね」
よくおかしな人を電波と言うけれど実は覚醒剤中毒がそのはじまりだ、中毒者が全裸で包丁を持って暴れ回って何人も殺した事件があったがその犯人が捕まった時に電波を受信したとか言っていたのだ。
「それで騒いで東京から新幹線で福岡まで行って戻ったり」
「おかしくなっていたの」
「そうした話もあるから」
「本当に怖いわね」
「だから覚醒剤はね」
それはだ。
「絶対にやったら駄目だよ」
「そうよね」
「本当に手を出したら」
その時点でだ。
「人間止めるよ」
「廃人になるのね」
「そして歯もね」
「ボロボロになるのね」
「そんな歯になったら」
そこからすぐにわかることだ。
「身体自体がだよ」
「ボロボロで」
「もう長くないよ」
「それが覚醒剤ね」
「重度の覚醒剤中毒患者は長生き出来ないよ」
どう見たってそれはない。
「だってね」
「身体も心もボロボロだから」
「そうなるから」
その為にだ。
「長生きなんてね」
「絶対に無理ね」
「そして歯に話を戻しても」
「ボロボロになるから」
「お餅だってね」
「食べられなくなるのね」
「元タレントの人や元プロ野球選手の人なんか」
それこそだ。
「わかるよね」
「長くないわよね」
「どっちの人もね」
「それで歯もなのね」
「酷いことになってると思うよ」
覚醒剤のせいでだ。
「二人共本当に馬鹿だよ」
「美味しいものを食べられなくなっていて」
「お餅だってね」
「お餅食べられないなんて」
香織さんは今度はきなこ餅を食べながら僕に言った。
「今もだしお正月なんか」
「お餅がないとね」
「日本のお正月じゃないわ」
「そうだよね」
「そんなことになるなら」
香織さんは強い声で言った。
「歯は大事にして間違ってもね」
「覚醒剤はね」
「しないことね」
「何であんなのやるのかね」
僕にしてみるとだ。
「本当にわからないよ」
「そうよね」
「ヤクザ屋さんとかに関係があるとか変なお店でね」
「売られてるのね」
「表では普通に商売していても」
それでもだ。
「裏では売ってたりとかね」
「そういうのも聞くわね」
「それで手に入るらしいけれど」
「したら終わりよね」
「滅茶苦茶高いのに」
だからこそ闇社会の重要な収入源になっているのだ、煙草ですらかなり身体に悪いのに麻薬なんてそれこそだ。
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