八条学園騒動記
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第六百二十六話 皇室と茶道その四
「やっぱりね」
「あたるんだったね」
「それで南蛮の部族がその川を挟んで陣を敷いたのよ」
「その水を飲むとあたるから」
「現地の人以外が飲むと」
そうすればというのだ。
「だからね」
「そうしていたね」
「生水って怖いのよね」
「そういえば結構何気なく生水を飲んで死んだ人いるよ」
スターリングはさらに言った。
「歴史でも」
「ああ、スポーツして喉が渇いて」
「それで飲んで」
「ころっとよね」
「毒殺かも知れないけれど」
その実はというのだ。
「それで死ぬ人もね」
「歴史的にいるわね」
「結構ね」
「そうしたことがありますので」
部員がまた言ってきた。
「ですから」
「ティムールもですね」
「兵隊さん達に生水を飲ませなかったんですね」
「お水は沸騰させて」
そうして中にいる雑菌を消毒させてというのだ。
「飲ませていました」
「そしてそこで、ですか」
「モンゴルでもお茶が流行ったんですね」
「白湯は味気ないので」
その沸騰させた水はというのだ。
「ですから」
「だからですね」
「それで、ですね」
「お茶をとなりました」
そうして飲む様になったというのだ。
「こうしてです」
「モンゴルでもお茶が定着した」
「そういうことですね」
「それで今も飲んでいます」
モンゴルではというのだ。
「そうした歴史があります、ですが韓国では」
「李氏朝鮮でお茶を伝える仏教を弾圧したんで」
七海が応えた。
「それで、ですね」
「そこで喫茶の文化が途絶えています」
「そうなったんですね」
「アジアといえばお茶でしたが」
それがというのだ。
「あの国でだけはです」
「なかったんですね」
「他のものを飲んでいました」
茶以外のものをというのだ。
「そうしていました」
「どんなものでしたっけ」
「私もそれは忘れました」
部員は正直に答えた。
「申し訳ないですが」
「そうですが」
「ですがお茶を飲まなかったことは確かです」
このことはというのだ。
「そしてお酒を」
「そちらをですか」
「他の国も飲んでいましたが」
「他の国よりもですね」
「飲んでいたみたいです」
「あの国はよく飲みますけれど」
「その時からの様です」
李氏朝鮮からというのだ。
「ロシア程ではないですが」
「お酒はですね」
「よく飲みます」
「お茶を飲まない分ですか」
「そうかも知れません、ですがそうした歴史があっても」
喫茶の風習が途絶えたことがあってもというのだ。
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