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八条学園騒動記

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第六百二十五話 信長とお茶その九

「品がないのよね」
「贅沢もね」
「キンキラキンのゴテゴテで」
「もう見ているだけでこれはってなるね」
「そんな贅沢なのよね」
「服とか宮殿もね」
「人間として品性がないからよね」
 七海は二人に言った。
「その贅沢の仕方にしても」
「品がないんだね」
「本人の好みが出て」
「連合で贅沢って」 
 自分達の国のそれの話もした。
「派手で賑やかでも」
「下品かっていうと」
「また違うのよね」
「上品じゃなくても」
「下品じゃないわね」
「エウロパ貴族から見ると下品にしても」 
 それでもというのだ。
「あの連中の言うことだから」
「エウロパ人、特に貴族は絶対に連合の悪口を言うでしょ」
 彰子も言ってきた。
「だからね」
「そんな連中だからね」
「気にしなくていいわね」
「連中の上品ってね」
 それはというと。
「もうね」
「自分達だけよね」
「そう、それでね」
「私達というか連合は」
「もう何もかもが」
 それこそというのだ。
「下品なのよ」
「そうなるのね」
「だからね」
 それでというのだ。
「この茶道にしても」
「下品なのね」
「こんなに上品なのないのに」
 それでもというのだ。
「あの連中が言うとね」
「下品なのね」
「あれこれ理由を付けて」
 そうしてというのだ。
「そう言うのよ」
「下品ってね」
 七海は冷めた目で言った。
「あっちの歴史の方がでしょ」
「エウロパの歴史ね」
「キリスト教を悪用して」
 そうしてというのだ。
「十字軍とか帝国主義時代とか」
「侵略してね」
「虐殺と破壊ばかりだったじゃない」
 こう言うのだった。
「もうそれならよ」
「エウロパの方が下品ね」
「下品でね」
 七海はさらに言った。
「野蛮で邪悪」
「そうよね」
「街に下水道とか汲み取りがなくて」
 かつてのエウロパの街の話もした、欧州の街の道の端は汚物とゴミで満ちていてそこを鼠が走り回っていたのだ。
「それでね」
「そうしたものを道に捨てていて」
「そっちの方がね」
「下品というか」
「不潔よ」
 こう彰子に話した。
「本当に」
「そんな連中に言われても」
 蝉玉は抹茶を飲みつつ言った。
「何ともないわね」
「全くだね」
 スターリングも飲みながら応えた。 
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