| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ヘタリア大帝国

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

TURN48 騎士提督参入その七

「艦隊指揮だってね」
「できるたいな、それもかなり」
「インド軍には必要な人材ね」
 クリオネはもうインドの人間になっていた。気持ちは完全に切り替えていた。
「政治面でも働いてくれるし」
「僕もそう思うたいが」
「それでもだっていうのね」
「提督へのスカウトに従ってくれないたい」
 インドの顔はやや困ったもののままだった。
「大変たい。けれどたい」
「言いたいことはわかるわ。私に説得して欲しいのね」
「アグニはクリオネさんに育ててもらったたい」
 クリオネが言うことはこのことだった。
「だからクリオネさんの言うことは絶対に聞くたい」
「わかったわ。じゃあすぐにね」
「アグニのところに行ってくれるたいか」
「お話してみるわ。じゃあ早速ね」
「宜しく頼むたい」 
 こう話してだ。そのうえだった。
 クリオネは東郷、そしてインド達と共にアグニのいる部屋に入った。アグニはクリオネの姿を見てすぐに顔色を変えた。
「クリオネさん、ご無事だったんですか?」
「ええ、それで今はインド軍にいるのよ」
「インド軍に参加されたんですか」
「新東インド会社社長と兼任でね」
 インド軍の提督になったというのだ。
「返り咲いた形になったわ」
「そうなんですか。おめでとうございます」
「有り難う。それでね」
 クリオネは微笑みと共にアグニにさらに言う。
「これからのことだけれど」
「はい。社長として経営にあたられるんですよね」
「スタッフも戻ってきてくれるわ。けれどね」
「けれど?」
「もう一人戻って来て欲しい人がいるのよ」
 クリオネはアグニのその目を見ながら笑顔で話す。
「それはね」
「若しかしてその人は」
「ええ、そうしてくれるかしら」
 こう言ったのである。
「新東インド会社、インド軍に参加してくれるかしら」
「はい、わかりました」 
 アグニはクリオネの言葉に快諾で応えた。
「喜んで」
「そういうことでね。これからも宜しくね」
 クリオネは笑顔でそのアグニに応えた。クリオネは早速インドの為に仕事を果たした。
 インドもこのことには満足した。しかしクリオネの経営についてはこう言った。
「クリオネさんひょっとしてたいが」
「?どうかしたの?」
「算盤とか使わないたいか?」
「算盤?日本の?」
「つまり計算して資金投資とかはしないたいか?」
「そういうのはスタッフに任せてるけれど」
 実はクリオネは資金投資の際その額はかなりあやふやだったのだ。
「それが悪いの?」
「そうたいか。クリオネさんは資金投資の額は自分で決めない方がいいたいな」
 早速多角化経営を復活させ順調に再スタートを切っているがそれでもだったのだ。
「財政間隔が今一たい」
「そうかしら」
「そうたい。そこは気をつけて欲しいたい」
 こうした話もちらりとしたのだった。何はともあれクリオネは会社社長に返り咲きアグニも太平洋軍に加わった。太平洋軍はまた戦力を得た。
 東郷はこの状況でさらに言った。その言うこととは。
「後はな」
「あの方ですか」
「ああ、ネルソン提督だ」
 こう日本に対して言う。
「あの騎士提督殿にも声をかけよう」
「しかしあの方は」
「エイリス軍の騎士提督だな」
「エイリス女王、そしてイギリスさんへの忠誠は絶対のものがあります」
 日本もそのことはよくわかっていた。非常に。
「まさに騎士です」
「そうだな。しかしだ」
「しかし、ですか」
「捕虜になった軍人は捕虜にした国の軍に加わる」
 この世界での暗黙の了解だ。
「このことがあるからな」
「だからだというのですね」
「ああ、声をかけてみよう」
「そうされますか」
「日本軍に入らなくてもいい」
 東郷もそこにはこだわらなかった。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧