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八条学園騒動記

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第六百二十五話 信長とお茶その四

「日本の皇室は」
「また別格ですね」
「ハプスブルク家やウィンザー家よりも」
 共にエウロパのオーストリア、イギリスの王家である。
「遥かにです」
「資産をお持ちなんですね」
「その差は天と地程だとか」
 そこまでの違いがあるというのだ。
「どうも」
「そうですか」
「ですから」
 それでというのだ。
「茶器も」
「国宝級のものを」
「多くお持ちです、ただ」 
 ここで部員はこうも言った。
「そのお暮しは」
「質素ですよね」
「驚くまでに」
 四千年の歴史と伝統を持ち連合第三位の大国の国家元首の家とはとても思えないまでにというのである。
「そうですね」
「サハラの小国の王様位だとか」
「宮内省の予算も少ないですし」
 即ち皇室経費もというのだ。
「非常に」
「そういえばそうなんですよね」
 菅も言ってきた。
「日本の国家予算の一万分の一もない」
「左様ですね」
「皇室のそれぞれの宮家の予算なんて」
 それこそというのだ。
「結構活躍しているスポーツ選手の年棒位で」
「本当にそれ位なのが凄いね」
「無茶苦茶低予算でしょ」
 スターリングも蝉玉も言った、ここで五人にそれぞれのお茶が来た。
「日本位の国の皇室なのに」
「国家元首のお家なのに」
「雅はあっても」
「贅沢はないんだよね」
「贅沢とは無縁だよ」
 菅も二人に話した。
「昔からね」
「明治帝とか昭和帝とか」
「凄かったのよね」
「お二方がそれを確立されて」
 そうしてなのだ。
「千年以上続いているんだ」
「そのお二方凄いね」
「千年以上の伝統を形成されるなんて」
「よく言われる方々だけれど」
「それでもね」
「英邁であられて」
 お二方共とだ、菅は話した。
「そしてね」
「質素であられた」
「そうなのね」
「その質素さたるや」
 それこそというのだ。
「窮乏生活レベルだったっていうから」
「昭和帝の寝室が凄く質素で」
 彰子はこの話をした。
「時の総理大臣が驚いたのよね」
「こんな質素なところで休まれてるのかって」
 その総理大臣を竹下登という、政治資金は多く集めていたが自分自身の暮らしは質素であったという。
「驚いたそうだね」
「そうらしいわね」
「それで今も皇居は」
「あんなものね」
「質素で」
 そしてというのだ。 
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