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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第百三話 公孫賛、やはり忘れられるのことその七

「正直目立つことは目立つから」
「そうだ。私は長生きするしな」
「何だかんだで生き残るしね」
「だから問題ない」
 そうだというのだ。
「しかし。私が見てもな」
「席が一つ多いわね」
「おかしい」
 真剣な顔で言う華雄だった。
「これは何かあるな」
「そうよね。前からこんな話になってるけれど」
「やはり都では怪異が起こっている」
「あのオロチやアンブロジアでないことが救いですが」
 程昱は彼等でないだけましだと言った。
「しかしおかしなことです」
「全くだぜ。今もこうして席が多いしな」
「妙な話です」
 また言う火月と蒼月だった。
「誰がいるのか」
「それが問題ですね」
 こうした話をしてだった。彼等は茶を飲んでいた。 
 しかしその一つ多い席についてはだ。誰もが不思議に思っていた。
 そしてだ。このことはだ。
 劉備達の間でもだ。話題になっていた。
 馬岱がだ。こう張飛に話していた。
「不思議よね。誰も知らない赤い髪の女って」
「誰なのだ?」
 張飛もだ。このことについて言う。
「本当にお化けかも知れないのだ」
「そういえばさ」
 ここでこんなことを言う馬岱だった。
「あっちの世界には透明人間っているらしいけれど」
「それなのだ?」
「けれど赤い髪と白い鎧だから」
「姿は見えるみたいなのだ」
「だから透明人間じゃないの?」
 馬岱は首を捻っていた。
「姿を自由に出したり消せる」
「むう、そんな奴がいるのだ」
「だから見えないとか」
 こう言い出すのだった。
「そんな感じじゃないかしら」
「まずいのだ。そんな奴がいるとなると」 
 どうなるか。張飛は困った顔になってこんなことを言いだした。
「鈴々の御飯やおやつをこっそりと取られるのだ」
「覗きとかされたら大変だし」
 馬岱はこのことを心配した。
「透明人間なんてどうすればいいのよ」
「姿が見えない相手なのだ」
「そうよ。だから厄介よ」
「ううむ、しかしなのだ」
「しかしって?」
「姿は見えなくても気配は感じる筈なのだ」
 彼等ならばだ。それも感じられることなのだ。
「だから気配を感じたその時に」
「やっつければいいのね」
「そうするべきなのだ」
 こう話すのだった。しかしだ。
 気配もだ。誰も感じなかった。
 呂布もだ。陳宮にこう話す。
「こんなこと有り得ない」
「ええと、数は足りてますよね」
「けれど一人気配を感じない」
 こうだ。宮廷で帝の前に一同が揃っている時に話すのだった。
「確かに官位を持っている人間は皆いる」
「はい、そうですよね」
「けれど一人気配を感じない」
「どういうことでしょうか」
「だから有り得ない」
 また言う呂布だった。
「本当に」
「ううん、また謎が増えてますね」
「謎は一つ」
 呂布は言う。
「多分ここに赤い髪の女がいる」
「あの女がいるのにですね」
「そう、いる」
 それは間違いないというのだ。しかしだった。
 
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