八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三百二十話 飲み終えてその十二
「やっぱりな」
「それ位でいいね」
「ああ、普通でな」
「それで丁度よくて」
「楽しませてもらってるさ」
ホテルにいることもというのだ。
「そうしてるさ」
「それはそれでいいね」
「それで風呂もな」
「大浴場に入ってだね」
「ああ、サウナにもな」
「サウナに朝に入って」
僕も笑って話した。
「そうして汗をかいて」
「身体の中の悪いのを出すんだ」
「お酒もね」
「二日酔いには風呂が一番だろ」
「特にサウナがね」
「どんな二日酔いもサウナに入ったらな」
もう例えそれが死にそうな位でもだ。
「一気に汗かいて水風呂にも入って」
「お酒抜けるね」
「それで元通りだ」
「僕もよくお世話になってるよ」
八条荘のサウナにだ、本当に汗をかくとそれまでの辛い二日酔いが嘘みたいに汗で流されてしまう。
「それでお酒抜いてね」
「一日はじめてるな」
「そうしてるよ」
「そうだな、だからな」
「親父も明日は」
「今日は軽くシャワーで済ませて」
飲んですぐの入浴は心臓に悪い、それで親父もそれはしないということだ。
「明日の朝な」
「サウナでお酒抜いて」
「母さんと大阪行って来るな」
「それで食べるんだね」
「そうしてくるな、織田作さんになるか」
夫婦善哉を書いたあの人にというのだ。
「その店にも行くしな」
「自由軒にも行くし」
「そうなるか」
「やっぱり自由軒行くんだね」
「お好み焼きとたこ焼き食ってな」
「串カツ食べて飲んで」
「そしてな」
そのうえでというのだ。
「串カツは夜でな」
「カレーはその前だね」
「お昼だな、食べ歩いて」
その時にというのだ。
「お好み焼き、たこ焼きと続けて」
「カレーもだね」
「それでおやつは善哉で」
夫婦善哉でというのだ。
「そうしていくな」
「そうなんだね」
「俺はあの人も好きなんだよ」
織田作之助もというのだ。
「小説がな、若くして亡くなって残念だったな」
「三十四歳だったね」
「結核だったからな」
親父は残念な顔でこの病気を出した。
「仕方ないな」
「当時は助からなかったしね」
「ずっとな、丁度終戦までな」
「結核はそうした病気で」
「あの人も死んだんだ」
「残念だったね」
「宮沢賢治も梶井基次郎もだったな」
この人達も若くして結核で亡くなっている。
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