八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三百二十話 飲み終えてその七
「取り返しのつかないことをしてもな」
「別のことで素晴らしいことをするんだね」
「人を徹底的に傷付けた人がな」
「人を救うこともあるね」
「ああ、まあその後輩君はそれでもだな」
「その人を責め続けるんだね」
「俺が今言った人が変わってもな」
それでもというのだ。
「責め続けるタイプだな」
「憎しみの念が強い人だね」
「ああ、しかしそんなタイプがなるのは一つだよ」
「憎しみが強い人は」
「そのままいったらな」
憎しみの感情が強まればというのだ。
「人間憎しみに心を支配されたらなるのは一つだよ」
「鬼かな」
「そうさ、復讐鬼になるしかな」
「ないんだね」
「そうなったらもう末路は碌なものじゃないんだよ」
「復讐ばかり目指していたらね」
「憎いから憎い奴を容赦なく攻撃していたらな」
それを続けていたらだ、復讐はこの場合は自分の心に対するそれか。自分を憎ませて嫌わせた相手に対する。
「そのうち自分も怨み買ってな」
「憎い相手にもその人を大事に思ってる人もいて」
「そうした人から怨まれてな」
「自分がやられるね」
「そうなるんだよ、だから復讐鬼の末路はな」
それはというのだ。
「碌なものじゃないさ」
「そうなるんだね」
「ああ、それで自分に絶対の正義があると思っているとな」
「復讐鬼に攻撃されたりもするんだね」
「自分が反省してもな」
「遅いんだね」
「だからそうした人にも気をつけないといけないんだよ」
目が濁ったよく言われる悪人だけでなくというのだ。
「だから目を見るのも大事だけれどな」
「行いもだね」
「注意しろよ」
こう僕に話してくれた。
「いいな」
「そうするよ」
「人間ってのは難しいからな」
「そうだね」
「まあ復讐鬼にはなるな」
僕を見て言ってきた。
「お前はな」
「末路がそうだからだね」
「ああ、人間自分を憐れんだらそこから先は無間地獄でな」
「憎しみに心を支配されたら復讐鬼だね」
「どっちも最悪さ」
そうなればというのだ。
「もうな」
「自分を憐れんでも憎しみに心を支配されても」
「どっちもな」
「末路はよくないね」
「ああ、だから復讐鬼にもな」
それにもというのだ。
「お前はなるなよ」
「人を憎んだらいけないんだね」
「どうしてもその感情もあるけれどな」
人にはというのだ。
「けれどな」
「それでもだね」
「極端にはな」
「心が支配されるまでは」
「そうなるなよ」
絶対にというのだ。
「いいな」
「うん、気をつけるよ」
「それで獲り返しのつかないことはな」
「世の中あって」
「独善でそれをやることが多いんだよ」
「アール=ウォーレンもそうで」
そしてだ。
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