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夢幻水滸伝

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第二百四話 穀倉地帯からその三

「世界を救えるか」
「それはないですね」
「ましてや奴隷なぞ」
 この制度についても言及した。
「論外です」
「全く以て」
「はい」
 こう言うのだった。
「それはコープチッティ君も同じですね」
「少なくとも太平洋では奴隷は存在してへんです」
 コープチッティは奴隷については否定的な顔と声で述べた、それは絶対に許されないという表情と口調だった。
「地下世界ではあるそうですが」
「その様ですね」
「あと欧州でも」
「地下世界はまだ色々あり」
「産業革命は達成されていて」
「そこからという段階でして」
 この世界の地球の地下にある広大なその世界はというのだ。
「まだです」
「奴隷制もですね」
「あります、そして欧州でもです」
「ありますね」
「それにアラブでも」
「ですが太平洋では」
「そしてサハラ砂漠以南のアフリカでも」 
 この地域でもというのだ。
「存在してへんです」
「有り難いことに」
「ですが」
「今お話した地域にはですね」
「まだ奴隷というものが存在しています」
 そうなっていることもここで話した。
「それは残念なことです」
「奴隷は嫌なものです」
 コープチッティも言うことだった。
「実に」
「倫理的に、そして」
「国家のあり方としても」
「あくまで僕達の考えですが」
「奴隷をよしという社会もありますね」
「はい、奴隷も社会を動かすので」
 このことは事実だというのだ、時代と社会によるが奴隷は貴重な労働力なのである。これは長い間多くの社会でそうであった。
「やはりです」
「必要な社会もですね」
「あります、ですが」
「わし等としては」
「それは否定すべきと考えているので」
 それ故にとだ、スーンは言った。
「ですから」
「ないに越したことはないですね」
「最初から」
「全くです」
「ですから」
 スーンはさらに言った。
「東南アジアそして太平洋にもアフリカにもです」
「多くの地域でないことは」
「ええです」
 実にという言葉だった。
「まことに」
「左様ですね」
「そうですね」
「勿論今後もです」
「奴隷はもうけないですね」
「重罪人は徹底的に酷使しますが」
 悪質な犯罪者には容赦しないというのだ、この考えはスーンとコープチッティだけでなく多くの星の者が持っている考えだ。
「しかし奴隷はです」
「許さない」
「何があっても」
「人は全て同じですね」
「そういうことです、そうですさかい」
 スーンは奴隷制を否定したうえでさらに話した。
「福祉や厚生もです」
「そっちの政策もですか」
「やっていきましょう、賃金や雇用条件も」
 そうしたこともというのだ。 
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