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おぢばにおかえり

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第六十五話 心配していてその一

               第六十五話  心配していて
 最初に先輩が教会に来てくれました、私は先輩をお家の中に案内してから必死のお顔でこう言いました。
「安心して下さい、若しあの子が何かしても」
「ちっちが止めてくれるのね」
「はい、先輩に失礼なこと言わせませんから」
 このことを約束しました。
「安心して下さい」
「気持ちは有り難いけれど」
 それでもとです、先輩は私に少し俯いて言ってきました。
「いいわ、私は受けるから」
「受けるっていいますと」
「あの子が私に何を言っても」
「いえ、先輩がされたことは昔のことですから」
 だからだとです、私は先輩に答えました。
「もう何年も前ですよね」
「ええ、もう少ししたら五年になるわね」
「五年も昔のことなんて」
 もうそれこそと自分でも思って言いました。
「いいじゃないですか」
「そう言ってくれるの」
「はい、ですから」
「じゃあちっちはどう思うかしら」
 先輩は私を見て聞いてきました。
「自分がそんなことされたら」
「先輩が言われたことをそのままですか」
「ええ、全部されたらね」
「私だって嫌です」
 私は先輩に自分が思ったことをそのままお話しました。
「やっぱり」
「そうでしょ、私はそうしたことをしたのよ」
「だからですか」
「あの子が怒るのも仕方ないわ」
「そう言われますか」
「確かに五年経ったけれど」
 それでもというのです。 
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