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夢幻水滸伝

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第二百三話 バンコクからその十二

「それでは」
「わかりました、では」
「コープチッティ君にその様にお話して下さい」
「そうさせて頂きます」 
 使者はスーンに笑顔で答えた、そうしてだった。
 コープチッティのいるチェンマイに戻った、スーンはその彼を見送ってから周りに穏やかな顔で話した。
「星の人が二人になればです」
「心強いですね」
「それも非常に」
「ではですね」
「コープチッティさんとお話をして」
「一緒にやっていくことになれば」
 その場合はというと。
「よしということで」
「左様ですね」
「ではそうなる様にですね」
「お話を進めていきますね」
「お話をされたなら」
「そうしたいです、揉める理由はあらへんので」
 スーンにしてもだ、このことはコープチッティと同じである。
「むしろ同じタイの星の人です」
「それならですね」
「協力し合っていくべきですね」
「何といっても」
「はい、そしてタイを統一して」
 そしてというのだ。
「そのうえで、です」
「この国を治めますね」
「その様にしますね」
「そしてこの国を穏やかにする」
「そうされますか」
「この世界にも国王陛下はおられます」
 スーンはここで執務室の壁にかけられている肖像画を見た、それは彼が起きた世界の今のタイ国王のものだった。
 その肖像画を見てだ、スーンは周りに話した。
「神々の一柱として」
「はい、この国の守護神です」
「その一柱です」
「代々の神々です」
「特に先王陛下のことを思えば」 
 ラーマ十世、大王とさえ呼ばれたこの方のことをというのだ。
「そうせねばとです」
「タイを平和に治める」
「そして豊かにする」
「そう思わずにいられないですね」
「スーン様にしても」
「タイ人ならば」
 スーンはこうも言った。
「やはりです」
「陛下への想いがありますね」
「それは我々も同じです」
「常にこの国のことを想って働いておられるのですから」
「そうした神なのですから」
「応えます、そしてコープチッティ君も」 
 その彼もというのだ。
「何度かお話していますが」
「起きた世界で、ですね」
「そうされていますね」
「スーン様は」
「はい、むしろ私以上に王室への敬意は強いです」
 そうだというのだ。
「実は」
「そうなのですか」
「あの方はそうなのですか」
「そうした方ですか」
「はい」 
 そうだというのだ。
「ですから」
「そうしたことからもですか」
「あの方は信頼出来ますか」
「そうなのですね」
「はい、陛下への敬愛と」
 そしてというのだ。 
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