夢幻水滸伝

「出来る限りな」
「戦はしない」
「そうですか」
「そうされますか」
「わしとしてはな」
　そう考えているというのだ。
「進んではな」
「そうなのですね」
「無闇に戦はしない」
「そうお考えですか」
「そや、そしてな」
　コープチッティはさらに話した。
「バンコクの方やが」
「はい、あの街ですね」
「あの街にも星の方がおられますね」
「そして非常にお強いと聞いています」
「時魔術師で天の星の方で」
「善政を推し進めておられるとか」
「スーンさんやな」
　彼の名前も出した。
「あの人とはな」
「どうされますか」
「今のお話ですと戦うことはされない様ですが」
「話し合いですか」
「それで収めたい」
「そうお考えですか」
「戦う理由はあるか」
　コープチッティは腕を組んで真剣に考える顔になって述べた。
「スーンさんと」
「そう言われますと」
「特にないですね」
「スーン様は今バンコクを拠点に勢力を拡大されていますが」
「別にですね」
「我々としてもです」
「何もです」
「利害もないしな」
　そうしたことでの対立もないというのだ。
「そやからな」
「はい、それならですね」
「戦はしないですね」
「話し合いですか」
「それでことを収めますか」
「そうしたい」
　周りに真顔で話した。
「わしとしては」
「ではですね」
「今から人を送りますか」
「そうしますか」
「そうして話し合いをされますか」
「そうしよか」
　こう言ってだった、コープチッティはバンコクにいるスーンのところに使者を送った。その使者の話を聞いてだった。
　スーンは使者に執務室で話を聞いてからそれならという顔になってこう言った。
「よし、話をしましょう」
「そうしてくれますか」
「こっちから使者を送ろうとも」
　スーンは使者に笑顔で話した。
「そう考えてたところでした」
「そうでしたか」
「はい、ほなです」
「話し合いをですね」
「しましょ、場所は」
　今度はそちらの話をした。
「何処にするかですが」
「今スーン様はピサヌロクまで勢力圏に収めておられますね」　
　使者はスーンにこう述べた。
「左様ですね」
「それならですか」
「はい、会談の場所は」
「ピサヌロクでと」
「どうでしょうか」
「そこですね」
　スーンは使者のその言葉に頷いて述べた。