八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三百十八話 恰好悪い馬鹿その一
第三百十八話 恰好悪い馬鹿
親父は焼きそばの中の豚肉を食べた、そしてキャベツも。そうして梅酒を一口飲んでなくなったのでまた注文してから僕に話した。
「オウムの時だよ」
「吉本隆明と同じだね」
「あいつ等はテロをしたな」
「吉本はそこでサリン事件で死んだ人達の遺族からの声以外聞かないとか言ったんだよね」
「ああ、それで何であんなことしたかって考えていたんだ」
「それでわからないって言ってたんだね」
「そんなことしたなんて誰でもわかるだろ」
親父は完全に怒った顔で僕に話した。
「オウムへの捜査に対する妨害だよ」
「そうだったよね」
「だから官庁の人達が使う地下鉄にな」
「サリン撒いてね」
「官庁の人達を殺そうとしてな」
「多くの人達が巻き添えになったね」
「最初からテレビで言ってたんだよ」
オウムが地下鉄でサリンを撒いた理由はだ。
「そしてちょっと考えたらな」
「誰でもわかることで」
「吉本はそれもわからなかったんだ」
「それだけでも馬鹿だってわかるね」
「どうしようもないな」
それこそというのだ。
「そんな馬鹿だったんだよ」
「まさにそうだよね」
「しかし俺はもっと凄い馬鹿を知ってるんだ」
「それをこれから僕に話してくれるね」
「これ以上はないまでに格好悪くてどうにもならないな」
そうしたというのだ。
「馬鹿をな」
「それどんな奴かな」
「オウムのテロにこう言ったんだよ」
柚酒を飲む僕に話した。
「俺は権力に反対するならいいってな」
「オウムのテロになんだ」
「自分達の悪事を調べていた弁護士さんを一家ごと殺したり中で大勢殺したり拉致して殺したりサリンで殺したりな」
「悪と言うしかないよね」
「金に汚く女に汚くて権力欲もあってな」
「そんな教祖だよね」
「けれどな、そんな連中のテロをな」
「ああ、僕その話知ってるよ」
ここで親父に答えた。
「大阪の方にいたんだよね」
「ある店にな」
「お店の人なんだ」
「上本町の方のな」
大阪天王寺区の場所だ、近鉄の終点でもある。
「あそこの店にいた兄ちゃんでな」
「その頃に」
「オウムの話でもちきりだったんだよ」
オウムが事件を起こした時はだ。
「もう新聞もテレビも雑誌もな」
「オウム真理教の話ばかりで」
「その中でその兄ちゃんは言ったんだ」
「俺は権力に反対するならいいってね」
「オウムの行いについてな」
「オウムってテロやって」
僕もその人の話は知っているので言った。
「沢山の人殺したね」
「つまり権力に反対するならな」
「人殺してもいいってことだよね」
「それで中でポアってな」
「粛清だね」
「それやってもあの教祖の行いだってな」
その俗物丸出しのものもだ。
「いいってな」
「言ったね」
「ああ、堂々とな」
「その話考える度に思うことは」
僕にしてもだ。
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