夢幻水滸伝
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第二百二話 リーの切り札その九
「そやからな」
「だからですね」
「かなり不利や、そこでどう戦うか」
「そう考えますと」
「そや」
それでというのだ。
「ほんまにな」
「厳しい戦ですね」
「そう思うと軍の集結を待つべきやったかも知れんが」
ロシティーは苦い顔で述べた。
「しかしな」
「それでもですね」
「やっぱり民を戦に巻き込むのはな」
「抵抗がありますね」
「ゲリラ戦なり何なり出来たら」
実はその戦術も考えた、それで言った。
「違うんやろが」
「そのゲリラ戦は」
「民に最も被害を出す戦の仕方やしな」
「出来ませんね」
「籠城戦よりもな、これはな」
「はい、完全にですね」
「してやられた、しかしな」
「それでもですね」
「ここまできたらやるしかない、自分の動きは自分に任せる」
アユ自身の判断にというのだ。
「そうするわ」
「そうですか」
「そしてな」
「はい、ロシティーさんは」
「リーを防ぐ、あの桁外れの力で攻められたら」
今度は獣の術である魔王の術を使っていた、超能力系最高レベルの術の次は獣系のそれを使っていた。
しかも威力が違った、並の者が使う術の優に五倍の威力があった。その強さを見てロシティーは言った。
「もうな」
「全軍がですね」
「ほんまにあいつ一人でやられかねんからな」
今言った通りにというのだ。
「そやからな」
「ここはですね」
「わいが出てな」
そうしてというのだ。
「戦うわ」
「そうされますか」
「今からな、後は頼むわ」
「わかりました」
アユも頷いて答えた、そうしてだった。
ロシティーは術で空を飛びリーの前に出た、そうして彼に言った。
「わいが相手や」
「来たか」
「来ると思ってたやろ」
「インドネシアで私の相手を出来るのは自分かアユさんだけやからな」
「星のモンの相手が出来るのは星のモンだけや」
「そやから」
「そのことは読んでたか」
リーを見て問うた。
「そやったか」
「そや、ほな一騎打ちやな」
「音楽対学問か」
「芸術家と学者やからな」
「変わった組み合わせの一騎打ちや」
ロシティーは笑ってこうも言った。
「ほんまにな」
「そやな、しかし対したからには」
「やろか」
「思う存分な」
こう話してだった、二人は一騎打ちに入った。アユはまずは戦局を見極めようとしたがここでだった。
前にアルフィアンが来た、彼はインドネシア軍を一人で突き抜けて来たのだ。それでこうアユに言った。
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