夢幻水滸伝
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第二百二話 リーの切り札その七
「おそらく若しもの時の予備戦力や」
「予備ですね」
「そや」
まさにというのだ。
「それにする為に集結させてる」
「ジャカルタに」
「そうしてる、けどな」
「それはですか」
「間違いやった、カリマンタンの兵もそうさせてるが」
この島にいるインドネシア軍もというのだ。
「そこでマレーシアなりシンガポール本土にな」
「兵を向けるべきでしたか」
「陽動でもな。そうしたらこっちも対処を考えてた」
「それで兵もですね」
「向けるかも知れんかった」
「そうでしたか」
「しかしな」
それでもというのだ。
「ロシテーはそれはせんかった、おそらくこれからの一戦でな」
それでというのだ。
「勝負を決めるつもりやな」
「そうですか」
「長期戦を挑んでたらインドネシアにも勝機はあった」
「インドネシアに籠城し」
「民の被害もある程度は仕方ないとしてな」
そしてというのだ。
「覚悟して戦うべきやった、しかしな」
「ロシティーさんはですか」
「アユさんもな」
彼女もというのだ。
「その考えやったな、民を犠牲にはせん」
「それはええことですね」
「そうやが戦略としてはな」
「間違いですね」
「そうや、その間違いにな」
「こちらはですね」
「仕掛ける、今から戦うで」
そのインドネシア軍と、というのだ。ロシティー達が率いる。
「ええな」
「わかりました、では」
「戦うで、私にとっても事実上の本格的な勢力同士の戦やが」
「勝ちますね」
「必ずな」
こう言ってだった。
リーは国家連合軍の艦隊を率いてそうしてだった。
インドネシア軍に向かった、そしてジャカルタの北西の海域でだった。
両軍は対峙した、リーは敵軍を見るとすぐに仲間達に告げた。
「全体的な指揮は私が執り」
「そしてですね」
「神船に乗って空に上がってな」
そうしてとだ、ブッパースウォングに話した。
「陣頭で思う存分戦う」
「ご自身がですね」
「そうしてな」
そのうえでというのだ。
「戦う、術とや」
「十絶陣で」
「十絶陣に入ったモンはその身体を滅ぼされる」
このことを言うのだった。
「それでや」
「ご自身が陣頭にですか」
「出る、采配も執りつつな」
そうしてというのだ。
「戦うわ」
「そして敵軍を散々に破るんですね」
チュットも言ってきた。
「そうですね」
「私自身が攻めてな」
「そうしていきますか」
「当然自分達もや、星のモンは一騎当万なら」
それだけの戦力があるならというのだ。
「それを使う、そやからええな」
「これよりですね」
「その力をふんだんに使って戦うで」
そうすると言うのだった。
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