八条学園騒動記
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第六百十七話 地獄の甘さその七
「好きです」
「ではそちらも」
「今の様に」
見ればもう完食していた。
「食べます、コーンまで食べて」
「それで、ですね」
「アイスを食べたことになると思います」
「連合は食べものは残さないですね」
ベッキーはこのことを指摘した。
「そうした文化ですね」
「昔はよく残す国が多かったんですよ」
店員はベッキーに残念そうに答えた。
「我が国も」
「アメリカですね」
「大量に食べますが」
それと共にというのだ。
「大量に捨てていました」
「食べものを」
「そうした食文化でした」
「そうだったのですか」
「ですが連合に入ってです」
そうしてというのだ。
「その中で変わっていって」
「今ではですか」
「残さず食べる」
「そうした食文化になりましたか」
「他の国も同じです」
「食べものは残さないですね」
「残したものは捨てず」
それはせずにというのだ。
「家畜の餌にするか後で食べる」
「ゴミにはしないですね」
「はい、残して捨てるなぞ」
そうしたことはとだ、店員はベッキーに強い声で話した。
「勿体ないですから」
「その通りですね」
ベッキーは店員の言葉ににこりと笑って答えた。
「食材の時点から作った人達がおられて」
「調理をする人達もいて」
「何よりも命です」
「食べものは」
「これは動物だけでなく」
「植物もですね」
「全て命があります」
ベッキーは店員に話した。
「ですから」
「アイスクリームにしても」
「牛乳と卵、お砂糖ですね」
「その三つから作りますね」
「はい、牛乳も牛がいてです」
それでというのだ。
「手に入れられて卵も」
「鶏がいて」
「無精卵でもです」
それでもというのだ。
「鶏がいまして」
「あるもので」
「お砂糖はサトウキビか」
「てんさいですね」
「そういった作物があってなので」
「命を頂きますね」
「そうしたものです」
アイスクリームにしてもというのだ。
「ですから」
「だからですね」
「はい」
ベッキーは微笑んで答えた。
「命だということを」
「意識してですね」
「召し上がるべきです」
「やっぱりそうですね」
「ですから残さないということは」
この考えはというのだ。
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