夢幻水滸伝
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第二百二話 リーの切り札その五
「兵の数は足りんけどな」
「それでもですね」
「兵の数はインドネシアより少なくても」
「後詰は用意しますか」
「そうしますか」
「そや、そしてや」
そのうえでというのだ。
「いざという時はな」
「予備戦力を投入して」
「そのうえで、ですね」
「戦局の不利を覆す」
「そうしますね」
「そうする、ほな今から戦や」
リーは席を立った、そうして仲間達と共に軍勢の中に入った。そうして軍をシンガポールの南東の沖で集結させ。
そこからジャカルタを目指した、この話はすぐにロシティーにも伝わり。
ロシティーはアユに言った。
「まずいな」
「我が軍はまだ集結を終えてへんです」
「スマトラの軍勢が向かってるが」
それでもというのだ。
「しかしな」
「それでもですね」
「各個撃破される、ただ後方は脅かすか」
敵のそれはというのだ。
「そうするか」
「敵の領地にですか」
「兵を送ってな」
そうしてというのだ。
「やるか」
「では」
「その軍を動かす、そして集められるだけの兵を集めて」
ロシティーはさらに言った。
「このジャカルタに向かって来る敵に対するで」
「そうしますか」
「わいと自分でな」
「今ジャカルタから出せる兵は十五万です」
アユはロシティーに答えた。
「敵軍がジャカルタに来る頃にはです」
「それだけ集まるな」
「その兵で戦いますか」
「そうするか」
「はい、では」
「すぐに出陣や、海戦を挑む」
ロシティーは決意した、その決意を述べた。
「空船も使ってな」
「そのうえで、ですね」
「戦うで、あとさっきも言うたがスマトラの兵はな」
「てきの後方を脅かしますね」
「そうする、ただこの戦短期決戦になるな」
敵の後方を脅かしてもとだ、ロシティーは鋭い目になって述べた。
「間違いなく」
「そうなりますか」
「そや、敵はこっちに来てる」
「それもかなりの進軍速度で」
「それに対してこっちは兵を集めきれてへん」
「そのうえでの戦になりますと」
「長い戦にならへん」
「ほぼ一戦で決まりますか」
「それはあいつの狙いか」
ロシティーは今度は苦い顔になった、その顔での言葉である。
「リーのな」
「あの方のですか」
「伊達に四智星の一人やないな」
「戦の主導権を握ってきましたか」
「劣勢でもな」
このことは事実でもというのだ。
「そうしてきたか」
「そうですか」
「それで賊やモンスターの退治も」
インドネシアだけでなくタイやベトナム、フィリピンも行っているそれの話もした、今インドネシアが頭を抱えている兵力分散の元凶でもある。
「それもな」
「あの人の策ですか」
「そやろな」
「では私達は全て」
「あいつの策にかかってや」
それでというのだ。
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