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夢幻水滸伝

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第二百一話 島々を一つにその十二

「商人みたいやな」
「確かに。政をしてますと」
「どうしてもな」
「お金のことを考えてしまいますね」
「そやな、わいそんなお金のこと考える性分やなかったが」
 それがというのだ。
「今はな」
「結構以上にですね」
「そうなってるわ、それでな」
「賊やモンスターの征伐についても」
「お金のことまで考えてな」
 そうしてというのだ。
「やってこな」
「そうしていかなあきませんね」
「そや、やってこな」 
 ロシティーはこう言ってアユと共に統一したインドネシアの領域領海まで含めたそこの賊やモンスターの退治を進め治安もよくしていき倒した者達を民や軍にも入れていっていた、だがそれが一段落した時に。
 ロシティーはジャカルタにおいてその報を聞いて驚愕した。
「なっ、シンガポールとか」
「はい、ミャンマーとブルネイ、マレーシア、カンボジア、ラオスが国家連合を結び」
「それは聞いてたけどな」
「その国家連合が軍をこちらに向けています」
「ここでか」
「あの、ロシティーさん」
 アユも言ってきた。
「今我が軍は」
「百万以上おるけど各地の賊やモンスターの退治に向けててな」
「兵を分散させています」  
 インドネシア中にそうしているというのだ。
「そうしてます」
「そやな、すぐに軍を集結させる」
「そして戦に入りますね」
「そうする、しかしこっちに来るか」
 ロシティーはその驚愕の顔でまた言った。
「まさかな」
「考えていなかったですね」
「ああ、あの連中が動くとは思ってた」
 このことはロシティーも予想していた。
「確かにな、けどな」
「それでもですね」
「こっちに来るとはな」
「思いませんでしたね」
「ほんまにな」
 実際にというのだ。
「タイ辺りに行くと思ってた」
「私もです」
「まずは東南アジア最大勢力の我が国を倒してや」
「取り込んで、ですね」
「一番厄介な敵を最初にそうして」
 そしてというのだ。
「そのうえで自分達が東南アジア最大の勢力になる」
「それがリーさんのお考えですね」
「そやろ、これは普通に考えるとかなり分の悪い賭けや」
 国力で圧倒的に勝る相手である自分達に挑むことはというのだ。
「相当にな、けどな」
「それでもですね」
「相手はもう軍を動かしてる、そしてな」
「こっちは各地に集めたままです」
「これやと勝てる見込みは多い、しかも星のモンもな」
 今度は自分達のことを話した。
「こっちは二人、しかしな」
「あちらは七人です」
「それは大きい、流石リーや」
「四智星のお一人ですね」
「星のモンの中でも最も頭がええっていうな、しかもな」
「その四智星の方の中でもとりわけ知力が高いと聞いています」
「四智星の四人の中で知力と政治力はあいつが一番や」 
 リー、彼がというのだ。
「そして教養もな」
「そうした方だけあって」
「こうした知略もな」
「随一ですね」
「ああ、そやからな」
「こうしたこともしてきますか」
「あいつの方が一枚も二枚も上手か、しかしな」 
 それでもとだ、ロシティーはアユに言った。 
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