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夢幻水滸伝

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第二百話 インドネシア統一の為にその十二

「こうして見るとこの世界今は文字通り群雄割拠ですが」
「それでも貿易はか」
「盛んですね」
「それな」
 ロシティーもそうだと応えた。
「わいも思ってるわ、戦もしてるが」
「それでもですね」
「それとは別にな」
「貿易、商いもですね」
「盛んや、それで色々な国や地域からや」
「この港にもですね」
「船が来て人やものもな」
 そういったものもというのだ。
「盛んに出入りしてる、そしてそれがな」
「私達に富をもたらしてくれていますね」
「そや、ええことや」
「貿易はすべきですね」
「ふんだんにな、これが限るとな」
「富もですね」
「入って来るものが限られる」
 その様になるというのだ。
「それでこちらもな」
「益が少なくなりますね」
「そうなるわ、そして情報もな」 
 これもというのだ。
「入らん様になる」
「人が行き来すればそれだけ情報も入ります」
「そやからな」
「そのことからもですね」
「やっぱりな」
「貿易はすべきですね」
「そや、しかし地下世界から空船も来てるが」
 そちらからもというのだ。
「アフリカからも。しかしアラブや欧州からはな」
「殆ど来ませんね」
「そやな、この世界やとこの二つの地域は未開で」
「特に欧州は」
「しかも戦乱が激しくてな」
 その為にというのだ。
「お陰でな」
「貿易もですね」
「殆どな」
「出来てへんで」
「それでこっちにもな」
「貿易に来ることは稀ですね」
「そうなってるな」
「この世界では欧州は産業革命のはじまりの地ではなく」
「かなり未開で東南アジアより遥かにややこしい」
「そうした状況なので」
「貿易もな」
 これもというのだ。
「東南アジアより遥かにや」
「出来る状況やないですね」
「そうなってるからな」 
 それ故にというのだ。
「こっちにも船は殆ど来てへん、来てもかなり粗末な船や」
「我々から見れば」
「旧式の木造のな」
「何時沈んでもおかしくない様な船ですね」
「それで来てるわ、あれや」
 その旧式オールも使っている木製の船を指差して言った。
「確かスペインからの船や」
「あの国からですか」
「喜望峰巡ってはるばる来たな」
「まさに生きるか死ぬかで」
「それで来てあっちではかなり貴重なもんを買ってる」
「帰れば高く売る」
「そうするつもりやけどな」
 それでもというのだ。
「今この港に欧州の船はあれだけや」
「ほんま少ないですね」
「欧州の星のモンも統一を進めてるが」
「中々ですね」
「進んでへんみたいやな、未開でしかも五億の人口で大小何万もの勢力に分かれてる」
 そうした状況であることをアユに話した。 
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