夢幻水滸伝
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第百九十九話 アミンの決断その十三
「そういうことですね」
「その通りや」
「それで、ですね」
「私も星のモンのデータは全部頭に入れておいた」
「日本の方々のそれも」
「そうしてな」
それでというのだ。
「今回もな」
「切り札をですね」
「考えついてな」
そしてというのだ。
「今からや」
「切りますか」
「相手の都合も調べておいた」
そのこともというのだ。
「大丈夫やった、いい加減やが筋は通ってる連中やから途中で仕事を放りだすことはせんしな」
「仕事?」
ハリムはそう聞いて首を傾げさせた。
「星の人のお仕事は」
「それぞれの世界に所属してやな」
「政や戦に関わることでは」
「いや、それがや」
「ちゃいますか」
「日本は星のモンが多い」
リーはこのことについて指摘した。
「そやからまだ在野のモンも多いんや」
「旗揚げをしたり誰かの下にいたり」
「そうしたことをせんでな」
「在野にですか」
「それでその中にな」
「そうした人がですか」
「おってな」
リーの声が強くなった、そうして述べた。
「ここでや」
「その中で、ですか」
「おあつらえ向きの人材がおって」
「それで今から」
「呼ぶ、連中は何処でも仕事して遊びで旅もな」
これもというのだ。
「してるさかいな」
「それでこのシンガポールにもですか」
「来たことがあるみたいやしな」
「移動の術ですぐに来てくれますか」
「あの術は一度行った場所は何処でも行ける」
ただし逆に言うならば行ったことのない場所には行けない、万能の術であるかというと決してそうではないのだ。
「そやからな」
「ここはですね」
「連中も呼ぶ、そしてな」
「星の者の力で戦いますか」
「兵の数やなくてな」
こちらの力でなくというのだ。
「そうするで」
「そうお考えとは」
「戦は数や」
このことは間違いないというのだ。
「しかしな」
「それは兵の数だけやないですね」
「そういうことや、ほなな」
「これよりですね」
「インドネシアとの戦に入るで」
リーは強い声で言った、そしてその星の者達のことも詳しく話した。東南アジアも大きく動き続けていた。
第百九十九話 完
2021・2・22
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