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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第三百十五話 親父と会う前にその七

「もうそういうのを見てだよ」
「やっていけばいいね」
「そうだよ、だから俺もな」
「明日はだね」
「枝豆とか食うな」
 そうするというのだ。
「焼酎飲んで」
「日本酒もだね」
「いや、日本酒は結構あるんだよ」
「イタリアでも」
「これがな」
「そうなんだね」
「だから梅酒とかな」
「飲むんだ」
「ああ」
 実際にという返事だった。
「その酒もな」
「色々味わいたいんだね」
「日本にしかない味があるんだよ」
「居酒屋のメニューとか」
「酒とかな」
「だからだね」
「もう明日が楽しみでな」
 それでというのだ。
「仕方ないんだよ、お前にも会えるしな」
「この前会ったばかりじゃない」
 僕は親父の今の言葉にはこう返した。
「秋田で」
「ああ、そうだけれどな」
「それでもなんだ」
「ああ、自分の子供に会えるのならな」
「少し前にも会ってなんだ」
「嬉しいものだよ」
「それが親なんだね」
「そうさ、覚えておけよ」 
 親父は僕に笑って話した。
「親はそんなものなんだよ」
「そうなんだね」
「自分の子供には何時でも会いたいものさ」
「成程ね」
「だから明日はな」
「楽しみなんだ」
「お前に会って一緒にな」
 二人でというのだ。
「居酒屋のメニューをな」
「楽しむんだね」
「そうするぜ、だから明日行くぜ」
「それでお店は何処かな」
「白鯨に予約取ってるぜ」
 八条駅の前にある居酒屋だ、同じビルにカラオケボックスやゲームセンターもあって結構美味しいお店だ。
「だからそこでな」
「二人で忘年会だね」
「そうするぜ、それとな」
「それと?」
「金は全部俺が払うから気にするな」
「ワリカンでいいよ」
「子供に払わせる親はいないぜ」
 笑っての返事だった。
「子供の金は親が払うものだ」
「お金あるのに」
「そんな問題じゃないんだよ」
「子供にはなんだ」
「払わせないんだよ」
 お金、それはというのだ。
「絶対にな」
「だからなんだ」
「好きなもの飲んで食え」
 豪快に笑っての言葉だった。 
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