夢幻水滸伝

「まさに」
「ここでな」
「では今ここで」
「誓いを立てるで」
　こう言ってだった。
　六人は共に戦い治めてだった。
　共存共栄していきかつ東南アジアを統一し世界も救っていくことを誓い合った、そのことを誓ってだった。
　酒も飲み馳走も楽しんだ、そして後は貝殻でやり取りし移動の術で互いを一瞬で行き来出来る様にお互いの場所にも行くこともした。移動の術は一旦行った場所なら一瞬で行くことが出来る術であるからだ。
　全て整えてだ、リーはシンガポールでアルフィアンに言った。
「さて、国家連合を形成してな」
「かなりの勢力になりましたね」
「これでタイやベトナムにも対することが出来る」
「そこまでになりましたね」
「ほな次はな」
　リーはその目を鋭くさせて言った。
「マレーシアや」
「あの国と戦いますか」
「そうする、ただその前にタイやベトナムの介入は防ぐ」　
「その二国はですか」
「特にタイのな」
　この国のというのだ。
「介入を防ぐ」
「では国境に兵を集めて攻める動きを見せますか」
「いや、もっとええ方法がある」
「ええ方法？」
「もうタイやベトナムの賊の位置はわかってる」
　このことを言うのだった。
「それでその連中の居場所を両国の星の連中に噂として流すんや」
「賊の居場所をですか」
「連中は賊の居場所がわかったらどうする」
「はい、征伐に向かいます」
　アルフィアンはすぐに答えた。
「即座に」
「シンガポールの商人達は太平洋中で商売をしてる、特にな」
「東南アジアではですね」
「ホームグラウンドや」
「それだけに細かいところまでわかってますね」
「それでや」
「賊の場所もわかってるから」
　アルフィアンははっとした顔で言った。
「そやからですか」
「その情報を両国に流してな」
「賊の征伐をしてもらいますか」
「そしてその間にや」
「我が国は、ですね」
「マレーシアを降す」　
　これから戦うこの国をというのだ。
「そうするで」
「では」
「今からな」
「戦略を練りますか」
「もう戦略は決まってる」
　リーはアルフィアンに微笑んで答えた。
「それはな」
「各国を動けなくするのもですね」
「それや、外に向かうよりもな」
「中に向かわせるのですね」
「しかもそれが賊の討伐なら。ついでにモンスターの密集地帯も教えるしな」
　このこともというのだ。
「暫くはそういうのに向かわざるを得なくなってや」
「我々とマレーシアの戦の介入は出来ないですね」
「しかも賊やモンスターを討伐してくれる」
　リーはこのことを指摘した。
「そうしたら後の統治も楽やな」
「はい、賊やモンスターがおらへんと」
　実際にとだ、アルフィアンも答えた。
「治安がよおなって」
「進出もしやすいしな」
「その地域に」
「それで田畑や街や工場ももうけられる」
「以後内政をしやすくなりますね」
「余計にな、そのこともあるからな」
「一石二鳥ですね」
　アルフィアンは微笑んで答えた。