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夢幻水滸伝

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第百九十八話 先んじればその七

「この世界はな」
「産業革命が欧州ではじまっていないですか」
「そうした世界やっちゅうことや、実際私達が起きた世界でも有り得た」
 欧州以外の地域でも産業革命が興ったかも知れないというのだ。
「それが色々な要因があってや」
「イギリスからはじまりですね」
「欧州でなったんや」
「そういうことですか」
「それでこの世界ではや」
「欧州では興っておらず」
「私達がその技術を手にしている」
 リーはここでも冷静な声で述べた。
「そういうことや」
「そうですか」
「それでそれがな」
 自分達が産業革命以後の技術を持っていることはというのだ。
「かなり有り難い」
「その技術を内政にも使えるので」
「それで東南アジアで最も技術が発達してるのは我が国や」
 シンガポールだというのだ。
「科学だけやなくて魔術、錬金術、風水、歌や信仰も研究してる」
「あらゆる技術を学んでいますね」
「伊達に学問にも力を入れてへん」 
 リーは笑って話した。
「そやからな」
「技術もですね」
「援助出来る」
 今度はチュットに話した。
「そちらは任せてくれ」
「そして予算も」
「存分に援助するで」
 このことも約束した。
「ほんまに」
「そして発展させてくれますか」
「さっきも言うたな。東南アジア全体を発展させる必要がある」
 リーは再びこの言葉を出した。
「それでや」
「そやからですか」
「そうしたことはこの場で誓うわ」
 確かにというのだ。
「ここにおる全員にな」
「嘘やないってことですね」
「ほんまや」
 またチュットに答えた。
「東南アジア全体の為に。そしてひいてはな」
「世界の為ですね」 
 アルフィアンが応えた。
「それぞれの国を豊かにすることは」
「そや、約束するまでもなくな」
「行うことですね」
「私はそう考えてる、それで国防はな」 
 リーはこちらの話もした。
「今のところお互い離れてるが」
「相互援助ですね」
「それで行っていきますね」
「今後は」
「そうしていくのですね」
「国家連合になるからな」
 四人全員に答えた。
「そうしてくで」
「そうですか、そちらもお考えでしたか」
「ではですね」
「国防のこともですね」
「ここで決めますね」
「そうする、相互援助でやってく」
 国防はそれだというのだ。
「ええな」
「悪い条件がないですが」
 ティンは考える顔になって述べた。
「我々にとって」
「話がうま過ぎるか」
「うまい話には裏がある」
「そう言うな」
「まさかと思いますが」
「そのまさかや」  
 リーはティンに微笑んで返した。 
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