夢幻水滸伝
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第百九十七話 豊かな国を背負ってその十二
「ブルネイも平和のままにして」
「より栄えさせ」
「そして東南アジアを統一し」
「そこからですね」
「さらにですね」
「世界を救う様にしたい、まあ東南アジアを統一してもな」
今は遥かな先の話であるそれを果たしてもというのだ。
「まだな」
「世界を救うには足りない」
「そうだというのですね」
「ハリム様にしては」
「東南アジアも世界の一部でしかない」
ハリムは世界地図を頭の中に描いて述べた。
「世界はもっともっと広いな」
「はい、確かに」
「何億の人口のいる東南アジアもその一部です」
「そうであるに過ぎません」
「この地域にしても」
「そやからな」
やはり頭の中に世界地図を置いて話した。
「東南アジアの統一でもや」
「まだ足りない」
「そうなのですね」
「まだ先がありますか」
「そやからな」
それ故にというのだ。
「まだまだ先は長い、しかしまずはな」
「シンガポールとの同盟ですか」
「そちらに動かれますか」
「これからは」
「第一歩や、千里の道も一歩や」
ハリムはこの諺も出した。
「そやろ」
「左様ですね、まずはじめないとです」
「何にもなりません」
「どれだけ遥かな道のりであっても」
「最初の一歩を踏み出さねば」
「何もなりません」
「まさに最初の一歩からな」
そこからというのだ。
「はじまる、そして絶対に終わる」
「どんな道のりでも」
「それがどれだけ長いものでも」
「必ず終わりがある」
「そうだというのですね」
「そやからな」
それ故にというのだ。
「ええな」
「まずは一歩踏み出す」
「そうすることですね」
「そや、そして歩き続けることや」
その一歩を踏み出だしてというのだ。
「ええな」
「そうですね、ではです」
「その様にしていきましょう」
「これから長いですが」
「世界を救う為に」
周りもハリムの言葉に頷いた、そうしてだった。
ハリムは外交もはじめた、だが動いていたのは彼だけではなかった。世界でそれぞれの星達が動いていたのだ。
第百九十七話 完
2021・2・8
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