しおりが登録されていません

 | 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

夢幻水滸伝

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第百九十七話 豊かな国を背負ってその九

「シンガポールだけでは足りんな」
「このブルネイを守るには」
「それにはですね」
「まだ足りないですね」
「ああ、ここはな」 
 周りに考える顔で話した。
「他の国とも同盟を結ぶか、それも国家連合がええか」
「国家連合ですか」
「そこまで深い盟約を結びますか」
「そしてそのうえで、ですか」
「ブルネイを守りますか」
「ブルネイの軍事力やとな」
 ハリムはここでは豊かさの話はしなかった、こちらの国力のことを考えてそのうえで周りに話したのだ。
「モンスターや賊は退治出来てもな」
「国防は、ですね」
「不安がありますね」
「どうしても」
「人口が少ないとな」
 それならというのだ。
「やっぱり人手がないわ」
「それはその通りですね」
「我々は用意出来て二万程度です」
「後は他の分野に人材を割かないといけないので」
「軍は二万かその辺りですね」
「限界まで増やして三万か」
 ハリムは難しい顔で述べた。
「三万やとな」
「マレーシアにも対抗出来ないですね」
「あの国は八万の兵を用意出来ます」
「ですが我々はです」
「僅か三万です」
「そこにモンスターや賊への備えもあるんや」
 こちらに兵を割く必要があるというのだ。
「そやからな」
「どうしてもですね」
「マレーシアにも対することは出来ないですね」
「三方向を囲んでいるあの国とは」
「どうしても」
「アミンとは起きた世界ではそれなりに付き合いがあるけどな」
 マレーシアの星の者である彼とはというのだ。
「こっちの世界では今は敵同士やしな」
「それならですね」
「戦うしかないですね」
「左様ですね」
「そやからな」
 それ故にというのだ。
「少なくとも今はマレーシアに対してどうしてくかや」
「そのことを考えて、ですか」
「そうしてですか」
「ここは国家連合ですか」
「それを結ばれますか」
「それがええかもな、この国の暮らしを守るには」
 豊かなそれをというのだ。
「やっぱりな」
「我が国一国では限界がある」
「そのことは事実なので」
「だからですね」
「ここは、ですね」
「そや、シンガポールとも話をして」
 そしてというのだ。
「東南アジアの他の国ともな」
「話していきますか」
「そのうえで、ですか」
「ブルネイを守りますか」
「そうしていきますか」
「そうしていこか、おいらだけでも限界がある」
 ハリムはここで己の腰にあるアチャルバリス、神具であるその剣を見た。彼にとっては切り札の一つである頼りになる武器だ。
 その神具についてもだ、ハリムは話した。
「おいらの剣技とこの剣でもな」
「戦では無敵ですが」
「巨人が何体出ようとも全て倒してしまいますが」
「戦場でも一騎当千いえ一騎当万ですが」
「それでもですか」
「所詮はそこまで、匹夫の勇と言うとな」 
 それならと言うのだった。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧