八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三百十四話 八条荘の忘年会その五
「お洒落をしてです」
「そうしてですか」
「出席します」
「そうなんですね、僕はもう」
普通の部屋着だ、制服でもスーツでもない。八条家の公の場ではスーツを着ることもあるしタキシードも持っている。
けれどだ、今回は特に何もなくてだ。
「これといってです」
「ないですか」
「もうこれで」
普通の部屋着でだ。
「参加します、ただ早百合さんのそのお話を聞いて」
「それで、ですか」
「スーツに着替えることにしました」
「そうですか」
「はい、やっぱりドレスですよね」
「そこまではいかないですが」
「それなりの服ですね」
「室内の服でも」
それでもというのだ。
「そちらに着替えて」
「そうしてですね」
「参加します」
「じゃあ僕も」
「スーツにですか」
「着替えます」
そうして参加すると答えた。
「そしてきます」
「それでは」
「読書は中断して」
どちらにしても時間潰しだった、何時止めてもよかったしそうした。
「それで、です」
「着替えて」
「それで参加します」
「では」
「今から部屋に戻ります」
こう言ってだった。
僕は早百合さんと一時の別れを告げてその上で自分の部屋に戻ってスーツに着替えた。そのうえでロビーに出ると。
もう準備が出来ていた、端の場に沢山のオードブルや点心や飲みものがあって。
皆それぞれ奇麗な服でいた、そして畑中さんもタキシード姿で僕の前にいた。タキシードは執事さんなのでいつもだけれど奇麗に見えた。
「五分前です」
「海軍ですね」
「左様ですね、ではその五分をです」
「待ってですね」
「はい」
そしてというのだ。
「皆さんが来られて」
「乾杯をして」
「はじまりとなります」
「そうですね、じゃあ」
「あと五分待って」
「皆が来て」
「時間になりましたら」
その時にというのだ。
「それぞれ杯を手にしてもらって」
「乾杯をして」
「食べましょう」
「わかりました」
僕は畑中さんに笑顔で応えた、そして皆がだった。
集まって七時になると僕は畑中さんの横で八条荘の主として乾杯の音頭を取った、そのうえで皆で乾杯をして。
飲んで食べはじめた、僕は畑中さんそして小野さんと一緒の席だったけれど畑中さんにこう言われた。
「八条荘の方々にです」
「挨拶をですか」
「はい、そちらをです」
こう言うのだった。
「されて回ってはどうでしょうか」
「そうですね、この一年一緒にいましたからね」
正確に言うと一年弱だ。
「だからですね」
「そのことも踏まえて」
「皆に挨拶をして」
「また宜しくと」
その様にというのだ。
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