夢幻水滸伝
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第百九十七話 豊かな国を背負ってその二
「一回唱えただけじゃないかい」
「その一回で充分やった」
「今使ったの術だよね」
「睡眠の術、魔術師の術や」
「その術何百人にも効くのかい?」
「おいらの場合はそや、ちょっとした術も使うモンが強かったらな」
このことも声に教えられたことだ。
「威力や範囲がちゃう」
「それでかい」
「これ位は何でもないわ」
「そうなのかい」
「戦って止めることも出来たが」
それでもというのだ。
「こうした方が手っ取り早いからな」
「術で止めたのかい」
「そや」
「凄いね、あんた切れるね。というかね」
ゴーレムの女はここでハリムを見てこう言った。
「只者じゃないね」
「何でそう言えるんや?」
「あんた職業は戦士だよね」
このことから言うのだった。
「そうだよね」
「それが何かあるか?」
「あるよ、戦士は元々術は使えないんだよ」
そうした職業であるのだ。
「専門に勉強しないとね」
「それが使えるからか」
「しかも使えてもその力は弱いんだよ」
「専門で使える職業のモンよりもやな」
「そうだよ、それでここまでの威力なんてね」
見ればヤクザ者達は全員眠っている、そこに警官やハリム以外に呼ばれた者達が来てそうして縛っている。
「相当レベルの高い魔術師でも無理だよ」
「まあそれを言うと長いけどな」
「あたしは長い話は嫌いだよ」
女のここでの返事は即答だった。
「悪いけれどね」
「ほなおいおいな」
「そうしてくれるかい」
「そうするわ、それでヤクザ屋さん達は縛ったし」
「後は警察のお仕事だね」
「そやな、おいらも手伝おうか」
軽い声で言ってだった。
ハリムは今度は眠らせて縛ったヤクザ者達をリアカーに入れられるだけ入れてそうして引き¥いた、それを見てだった。
警官達も他の腕の立つ者達も仰天した、そうして彼に言った。
「あんたそれだけの人をよく運べるな」
「それも軽々と」
「あんたどれだけ力強いんだ」
「一体何者だ」
「何者かって言われてもな」
ハリムは彼等にも軽い声で答えた。
「それだけの力があるからな」
「げっ、何だこのステータス」
「滅茶苦茶高いぞ」
「レベル二百六十だって!?」
「何だこの特殊技能の数」
「化けものか!?」
「神霊レベルじゃないか」
ハリムは軽かったが周りは違った、仰天して誰もが叫んだ。
「ちょっとステータスを見たら」
「何だこいつ」
「何者だ!?」
「こんなに強い奴見たことないぞ」
「本当に神霊じゃないのか?」
「おいらは星のモンだよ」
ハリムは驚く彼等に笑って話した。
「実はな」
「星の方ですか」
「だからこのステータスですが」
「術の威力も凄くて」
「力もおありですか」
「そや、それでやけどな」
ハリムはリアカーを引きながらさらに言った。
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