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八条学園騒動記

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第六百十二話 わかりやすいことその九

「そうした人も好かれるって」
「ロシアでは」
「じゃあ嫌われる人は」
「どんな人かしら」
「一体」
「お酒を飲むなって言って」
 そうしてというのだ。
「あまつさえそれで働けってね」
「言う人が嫌われるんだ」
「そうなのね」
「ロシアでね」
 この国でというのだ。
「お酒飲むなとか言ったら」
「駄目だったわね」
「ロシアではね」
「他の国ならともかく」
 仕事中は酒を飲むなというのが常識だがというのだ、そして実際にロシア以外の国では常識になっている。
「ロシアでそう言ったら」
「駄目なんだ」
「そうだから」
「そう、そんなこと言う人はね」
 それこそというのだ。
「一番ね」
「嫌われるんだね」
「そうなのね」
「実際そう言ってね」
 酒を飲まないで働けと言ってというのだ。
「失脚した人いるし」
「本当に嫌われて」
「それでなのね」
「ロシア人は忍耐強いけれど」
 このことは連合では定評がある。
「けれどね」
「お酒についてはだね」
「駄目なのね」
「本当に飲むなっていうのは」
「禁句だね」
「何があっても」
「そうなの」
 実際にというのだ。
「これがね」
「寒いからよね」
 ウェンディは冷静に述べた。
「それは」
「そう、だからお酒を飲んでね」
「あったまるのよね」
「そうしたお国柄だから」
 それ故にというのだ。
「飲むなとか言ったら」
「本当に嫌われて」
「冗談抜きで失脚するの」
「シビアね」
「いや、とんでもない圧政敷いても」 
 イワン雷帝の様なそれをというのだ。
「お酒があったらね」
「いいんだね」
「ロシアは」
「あのスターリンだってね」
 恐怖の独裁者もというのだ。
「それで政権もっていたし」
「確か何千万も粛清してるよね」
 スターリンについてだ、ルシエンはこのことを言った。
「そうだよね」
「それだけ粛清して」
「二次大戦でもだよね」
「物凄い数の人が死んだわ」
「そうだよね」
「二次大戦で二千万かしら」
「当時としてはどっちも滅茶苦茶多いよね」
 ルシエンは明らかに引いた顔になって述べた。
「それだけの数の人が死んだら」
「けれどね」
「政権はもったんだね」
「餓死者も一杯出たけれど」
 そのスターリンの政治によってだ。 
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