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八条学園騒動記

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第六百十二話 わかりやすいことその三

「ウィンナーをね」
「店員の特権?」
「コーヒーの一杯位は休憩中の差し入れとして」
「それでなの」
「店員ならそれ位はね」
「いいっていうの」
「どうかな」
「今は遠慮するわ」
 ウエンディは微笑んで答えた。
「それはね」
「それはまたどうしてかな」
「いや、お客さんとして来たいから」
 それでというのだ。
「だからね」
「それでなんだ」
「そう、だからね」
 こうルシエンに言った。
「いいわ」
「それじゃあ」
「そういうことでね」
「確かにね」
 ここでルシエンと交際しているアンネットも出てきて言ってきた。
「ルシエンってはっきりした味好きよね」
「アンネットが見てもなのね」
「ええ、紅茶を飲んでもね」
 この飲みものの時もというのだ。
「濃いしね」
「そうなのね」
「緑茶も青茶も黒茶もね」
 そうしたお茶の時もというのだ。
「いつもね」
「濃いのね」
「はっきりした味なの」
「そうなのね」
「コーヒーだってね」
 今淹れているそれもというのだ。
「いつもそうで色もね」
「真っ黒なのね」
「青の時は青でね」
 青コーヒーの時の話もした。
「透き通らないはっきりしたね」
「青いコーヒーなの」
「赤の時も紫の時もね」
「他の色のコーヒーの時も」
「そこまで濃くしているわ」
「そうなのね」
「それで飲んでるの」 
 普段もというのだ。
「見ていたら」
「そうなのね」
「まあ私もね」 
 アンネットは自分のことも話した。
「基本紅茶派だけれどね」
「ロシア風のあれね」
「そう、あれを一番よく飲むけれど」
「濃くしているのね」
「そう、それでね」
「それで?」
「お砂糖もね」
 これもというのだ。
「結構入れるわ」
「そうしてるの」
「ロシアではそうよ」
「お砂糖かなり入れるのね」
「紅茶だけでなく飲みものにね」
「そうなのね」
「それでだよね」
 ルシエンも言ってきた。
「ジャムも舐めて」
「そう、そうしながら飲むの」
 アンネットはルシエンにも答えた。
「ロシアではね」
「紅茶をうんと甘くして」
「そしてジャムを舐めながらよ」
「飲むね」
「兎に角寒いから」
 そうした地域の多い星ばかりでというのだ。 
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