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八条学園騒動記

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第六百十二話 わかりやすいことその二

「トルコはそうだから」
「そうした言葉あるの」
「一人のお客様をもてなせば」
 それでとだ、ルシエンはさらに言った。
「二人のお客様が定着してくれる」
「それが本音ね」
「うん、サービスがいいって評判になって」
「そういうことね」
「もてなしたお客様がまた来てくれて」
 そしてというのだ。
「そしてそのお客様から口コミでね」
「サービスがいいって聞いて」
「来るから」
 そうなるからだというのだ。
「二人になるんだ」
「それはいい考えね」
「トルコはオスマン=トルコの時は商業も発達していたから」
 アジア、ヨーロッパ、アフリカの三大陸にまたがる国土を持ちユーラシアの貿易の中継地点を抑えていたからである。商業も発達したのだ。
「だからね」
「そうした言葉も出て来て」
「定着したんだ」
「成程ね」
「それでおもてなしもして」
「サービスもちゃんとしていて」
「注文もね」
 これもというのだ。
「ちゃんとだよ」
「合せるのね」
「こだわりのお店もあるけれど」
「ああ、この味以外は造らないっていう」
「そうしたお店もあるにはあるよ」
 トルコにもというのだ。
「けれどそうしたお店はね」
「そのこだわりを楽しむお店ね」
「だからね」
 それでというのだ。
「そこはね」
「楽しみ方の一つね」
「実家の近くにお爺さんが代々のこだわりのコーヒー店やってるけれど」
「そのお店のコーヒーは」
「もうお豆もコーヒーの淹れ方もね」
 そのどれもがというのだ。
「コーヒーを淹れる機械とかお店の内装まで」
「こだわってるのね」
「それでそのお店に入るのは」
「こだわりの味と他のこだわりを楽しむ」
「そうしたお店だよ」
「そうよね」
「だからこうしたお店もあるけれど」 
 トルコにもというのだ。
「トルコは基本的にはだよ」
「お客さんに合わせる国ね」
「そうした商売をする国だよ」
「成程ね」
「だからアメリカンの注文には」
「ちゃんとアメリカンにするのね」
「この通りね」
 ここでそのアメリカンを淹れてみせた、インスタントだがそうした。
「注文にあったからね」
「言った傍から」
「そう、そして普通のコーヒーはだよ」
「濃い目ね」
「あとウィンナーも作られるよ」
 生クリームを上に乗せたそれもというのだ。
「ちゃんとね」
「ああ、あのコーヒーね」
 ウェンディはウィンナーコーヒーと聞いてすぐに目を輝かせた、そうしてそのうえでルシエンに言った。
「実は私好きなのよ」
「そうなんだ」
「後でお客さんとして来て」
 そうしてというのだ。
「それでね」
「ウィンナー頼むんだ」
「そうするわ」
「何なら今淹れるよ」
 ルシエンはウェンディに笑って返した。 
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