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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第百話 夏侯淵、定軍山に向かうのことその十一

 そのうえでだ。顔を見合わせて話すのだった。
「アメリカ大陸か」
「あの大陸にも辿り着いていたのか」
「こう見えても百年以上生きているからな」
 華陀もだ。かなりの歳なのだ。
「羅馬にも行ったことがある」
「ローマにもか」
「あの国もいい国だな」
 華陀はクラウザーにもこう返した。
「薔薇が咲き誇っていて美味いものが多い」
「それであのコロシウムにもね」
「ホッキョクグマが運ばれていたりしたのよ」
 何気に妖怪達も知っていた。
「ローマ帝国もこの国に負けない位繁栄しててね」」
「もうすんごいんだから」
「貴殿等はあれか」
 グラントは二人が何故ローマを知っているのか推測してみせた。
「その術で行き来しているのか」
「もうローマだって一瞬よ」
「世界一周もあっという間よ」
 空を飛べ瞬間移動すらできる彼等ならばだ。そんなことも朝飯前だった。
 それでだ。こんなことも言うのだった。
「南極にも行ったわよ」
「あの大陸にもね」
「最早何でもありだな」
 獅子王も唸る様にして呟く。
「だが。それだけの力があるからだな」
「この世界、救ってみせるわ」
「絶対にね」
「とりあえずは定軍山だな」
 また言う華陀だった。
「ではあの山に向かうか」
「ええ、そうしましょう」
「今からね」
 こうしてだった。彼等の方針は決まった。
 しかしだ。ここでだった。
 命がだ。ふと呟いたのだった。
「それにしてもどうしてなのですか?」
「どうして?」
「どうしてというと?」
「何故定軍山に軍が向かうとわかったのですか?」
 彼女が気付いたのはこのことだった。
「それがわからないのですが」
「そうだな。今回は内密に動いている様だが」
「そうよ。殆んどの人が知らない出陣よ」
「そうなのよ」
 こう話す二人だった。
「それをどうしてあたし達が知っているのか」
「そのことよね」
「はい。どうしてなのでしょうか」
「それは簡単よ。あたし達の目はね」
「さっきも言ったけれど」
「そうでしたね。見えておられていましたね」
 そのことをだ。命は思い出したのだった。
「そうでした。すいません」
「他には千里先の針の落ちる音が聞こえたり」
「どんな匂いでも嗅ぎ分けられるわよ」
 今度は鼻だった。
「もう犬にだってね」
「負けないから」
「こうした人物だからか」
 ギースもわかったのだった。
「世界を救えるのか」
「力は正しいことに使うべきだから」
「そうさせてもらうわ」
 二人は少なくとも邪悪ではなかった。外見はともかくだ。
 そしてその力でだ。また働こうとするのだった。


第百話   完


                        2011・8・7 
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