恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第百話 夏侯淵、定軍山に向かうのことその八
「この事態はまずいぞ」
「それにだ」
ギースも怪物達に話す。
「定軍山に軍勢が向けられているのだな」
「ええ、そうよ」
「夏侯淵さん達がね」
向かっているとだ。二人はギースに答える。
「あたし達の千里眼にはわかるわ」
「そうしたこともね」
「ならこのまま見ている訳にはいくまい」
ギースはまた彼等に言った。
「あの山のこともだ」
「あの山はあの者達の拠点の一つだったな」
獅子王もこのことを指摘する。
「そこに向かうとなるとだ」
「どちらにしても何かある」
今言ったのは天草だった。
「危険ではないか」
「それもわかってるわ」
「全部ね」
二人はこのこともわかっているというのだ。
それでだ。こんなことを言うのだった。
「どっちもね。無事に解決するわ」
「都のことも山のこともね」
「また妖術を使うのか?」
刀馬は二人の力をそれだと認識していた。
「それでか」
「都のことはあの娘達が無事解決するわね」
「あちらは安心していいわ」
「問題はあの山」
「あそこね」
「それではどうしますか?」
命が問うた。
「ここは」
「安心して、手はね」
「考えてあるわ」
貂蝉と卑弥呼はそれぞれ答える。
「その時が来ればね」
「早速動くから」
「では安心していいのだろうか」
ここで言ったのは黄龍だった。
「とりあえずは」
「大船に乗ったつもりでいてね」
「今まで通りね」
「そうだな。下手に悲観しても何もならない」
華陀も言う。
「とはいっても事実を見ないのも駄目だが」
「そうよ。あたし達も事実を見てね」
「それで考えて動いてるから」
「何の問題もないわ」
「正直どうとでもしてみせるわ」
「山のことはわかった」
ミスタービッグはそれはよしとした。そのうえでだ。
彼は都のことを尋ねたのだった。
「都は任せていいのか」
「そう、あの娘達にね」
「そうすればいいから」
こうだ。彼女達はミスタービッグにも答えたのだった。
「謀略であの娘達を止めることはできないから」
「誰にもね」
「ならいいのだがな」
ミスタービッグは二人の話を聞いてまずは納得したのだった。
そうしてだ。今度はだった。
「それでだが」
「あら、どうしたの?」
「何かあったの?」
「もうそろそろ時間だと思うが」
こう二人に言ってきたのである。
「食事の時間ではないのか」
「そうね。もうそんな時間ね」
「時間が経つのは早いわね」
「それでは何を食べるのだ?」
ミスタービッグは何を食べるのかも尋ねた。
「今は何だ」
「ええと、何があったかしら」
「熊があったわよ」
卑弥呼が貂蝉のその問いに答える。
「さっきあたし達が倒したじゃない」
「そうだったわね。あの熊ね」
「あれ食べましょう。火はあるし」
「そうね。そうしましょう」
「またワイルドなことだな」
ギースは彼等の話に腕を組んで述べた。
「熊を焼いてそのまま食べるか」
「熊の掌もあるし」
「内臓も食べられるわよ」
「熊は声以外は食べられるから」
「毛皮も使えるし」
そうした話をしてだった。実際にだ。
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