八条学園騒動記
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第六百十一話 普通の人が悪人になってその九
「ハッピーエンドばかりね」
「わかりやすいわよね」
「悪いことをすれば報いがあるし」
「そうよね」
「まあ多少ね」
ダイアナはこうも言った。
「駄目なこともね」
「コーランの人達するわね」
「かっとなってとかね」
「けれど多少のことはね」
レミは聖書では絶対に報いがある様な話もと言った。
「コーランだとね」
「何でもなくて」
「アッラーも許してくれて」
「勇気と信仰があれば」
それでというのだ。
「救われるっていうか」
「勝利を勝ち取る」
「そうした流れで」
「もう何を言いたいかね」
「滅茶苦茶わかりやすいわよね」
「イスラムのお話って本当にわかりやすいわよね」
ルビーもこう言った。
「まさに真理よね」
「そうそう、痛快なまでにね」
「コーランってわかりやすいわね」
「その主張がね」
「明快よ」
「もう変に難しいこと言っている人は」
レミとダイアナにもあらためて言った。
「気にしないことね」
「最初から読まないことね」
「そんな人がおかしな主張するしね」
カルト教団の教祖を偉大だの言うとだ、ルビーは言った。
「子供でもわかることをわかってないから」
「難しいことを言ってる様で」
「頭いいと言われていても」
「その実はね」
「子供未満とかだから」
「そう思うと」
それこそというのだ。
「本当にわかりやすいのがいいわね」
「ええ、本でも主張でも」
「何でもね」
「難しい言葉も表現もいらない」
一切、そうした言葉だった。
「そういうことね」
「真理については」
「正しいことについてはね」
レミもダイアナも言った。
「実は単純明快で」
「わかりやすいってことね」
「人間には善悪があって」
ルビーは先程のマクベスでわかったことを言った。
「そして変わる」
「よくも悪くも」
「そうなるのよね」
「そして権力に溺れたら」
まさにマクベスであった。
「ああしてね」
「悪事を繰り返す」
「そうなるのよね」
「そして最後はね」
「破滅もあるわね」
「わかりやすいわ」
ルビーはあらためて言った。
「シェークスピアはね」
「そうよね、観てわからないなら」
それならとだ、レミも答えた。
「ちょっと、っていう位ね」
「もうはっきり描いてるわね」
「それがシェークスピアね」
「難しくないのよね」
「本当に全然ね」
「白と黒ははっきりわかるわ」
ダイアナは色の話をした。
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