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八条学園騒動記

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第六百十一話 普通の人が悪人になってその八

「もうね」
「騙すことも出来るし」
「騙すつもりなら」 
「難しい言葉ばかり使う」
「そうも出来るし」
 それでというのだ。
「単純こそね」
「真理よね」
「まさにね」
「そうよね」
 紅茶を飲みながら話した、そして。
 ダイアナは紅茶を手にまた言った、もう紅茶は三人共かなり減っているがそれは気にしていなかった。
「難しいだけでマイナス?」
「小説とかは」
「文章はそうかしらね」
「ええ、というか小難しい言葉を羅列して一気に台詞に出す人いるわね」
 小説家の中にとだ、二人に話した。
「中には」
「そうそう、いるわね」
「そうした単語を一気に出してね」
「登場人物がそれ言って」
「読者さんに読ませるの」
「何か難しい言葉が延々と続いて」
 そしてとだ、ダイアナはさらに言った。
「それを読み終えて理解したと思ったら」
「あっ、そこでこう思うわね」
 レミはダイアナの今の言葉にはっとした顔になって応えた。
「難しいもの読んで理解した自分凄いって」
「それでそうしたもの書いた人偉いってね」
「思うわね」
「哲学でもね、けれどそれってね」
「錯覚なのよね」
「難しい様なこと書いているだけで」 
 アニメだと言っているだけになる。
「その実は中身はね」
「ないわね」 
 レミはダイアナに言った。
「そうかも知れないわね」
「あると思っていても」
「何か難しい言葉を使っているだけで」
「もうそれだけで」
「中身はない」
 レミは核心を指摘した。
「その実はね」
「それで読んだ人を錯覚させて」
「読んだ人自身を偉いと思わせて」
 そしてというのだ。
「自分自身もね」
「書いた人もね」
「思わせる」
「それで本が売れたりアクセスが増えたり」 
 ルビーも言った、アクセスが増えるイコール収入が増えるということだ。広告等が貼られていてのことだ。
「有名になる」
「そういうことよね」
 レミはルビーにも応えた。
「要するに。けれどね」
「それがなのね」
「実はね」
「中身がない」
「何を書いてるか言ってるかわからない」
「それは実は中身がない」
「そういうパターンばかりでしょ」
 こう言うのだった。
「何か偉大な思想家でもね」
「ああ、そういえば聖書も論語もわかりやすいっていうわね」
 ダイアナはここでこう言った。
「仏教のお話も」
「そうよね」
「特にコーランなんか」
 イスラム教のこの聖典はというと。
「ライトノベル並にわかりやすいわよね」
「ヒーローは負けないから」
「苦難は乗り越えるもの」
「勇気と信仰を以て前に進めば勝利は得られる」
「アッラーのご加護でね」
「そうなってるわね」 
 レミも連合はムスリムも多いのでコーランのことは知っている、連合ではコーランのことはよく知られているのだ。 
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