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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第百話 夏侯淵、定軍山に向かうのことその三

「我等はあえて定軍山に向かうのだ」
「そうか。そこで悪党が待っていて」
「私達は戦うのですね」
「間違いなくそうなる」
 夏侯淵は秦兄弟に答えた。
「それは覚悟してくれ」
「わかりました」
 典韋も夏侯淵のその言葉に頷く、
「それならその時は」
「思う存分暴れてくれ。そしてガルフォード殿」
「ああ、俺だな」
「貴殿はいざという時にすぐに都に向かってくれ」
 そうしてくれというのである。
「いいな。すぐにだ」
「そうしてだよな」
「都に伝えて欲しい」
「ああ、それは任せてくれ」
「貴殿ならあの山から都まですぐに行けるな」
「まあな。俺の脚ならな」
「忍の力頼らせてもらう」
 それがだ。大きかった。
「むしろ貴殿にかかっているのだ」
「全員の命がだな」
「そうだ。だからこそだ」
 ガルフォードに言うというのである。
「頼む」
「わかったぜ。パピー達とな」
「では話はこれで終わりだ」
 夏侯淵は話が一段落したところでこう言った、
「解散しよう」
「それでですね」
「そうだ。我々は今から出陣まで無関係だ」
 そういうことにすると。典韋にも話した。
「それでいいな」
「わかりました」
 こうした話をだ。密室の中でしたのだった。
 そのうえでだ。彼等は今は密かに出陣の用意をしていた。
 そしてだ。曹操もだ。
 劉備達にだ。今回の出陣のことを話したのだった。
「あの山には昔から賊がいるから」
「ふむ。そうじゃな」
 ここでだ。袁術が納得した顔で頷く。言葉の中に含んでいることに対しても。
「あの山は前から噂があったしのう」
「益州も劉備が治めるようになったし」
「だからですね」
「それでいいかしら」
「はい、是非そうして下さい」
 山賊の討伐ならだ。劉備もいいというのだ。ただし彼女も曹操の言葉の中にあるものは理解してそのうえで話をしているのだ。
 そしてだ。袁紹と孫策もだった。
 全てを納得してだ。こう答えたのだった。
「そうですわね。賊を放置する訳にはいきませんわ」
「だから今回は妥当ね」
 二人も言うのだった。
「是非共。秋蘭さんには果たしてもらいたいですわ」
「必ずね」
「そうね。とりあえず私達はこれで決まりね」
 曹操はあえて『私達』と言ってだ。
 そのうえでだ。司馬尉を見てだ。問うたのだった。
「貴女はそれでいいかしら」
「私の考えなのね」
「そうよ。それでいいかしら」
「ええ、いいわ」
 微笑んで言う司馬尉だった。
「私としても異存はないわ」
「今回申し訳ないけれど貴女の出番はないわ」
 曹操は司馬尉への嫌味を言うことも忘れない。
「都で政務に専念していてね」
「わかっているわ」
 司馬尉もだ。嫌味に受けて立つ。二人共顔は笑っている。
 そのうえでだ。こう言ったのだった。
「私の仕事をね」
「擁州に言っていましたし」
 袁紹もだ。曹操に加勢してきた。
「御仕事は多いですわね」
「多いわ。けれどね」
 二対一でもだ。司馬慰は受けて立つのだった。
「私には何ということはないわ」
「ほう、面白いことを言うのう」
 袁術も参戦してきた。
「では御主はその山の様な仕事をあっという間に終わらせられるのか」
「その通りよ」
 平然と答える司馬尉だった。袁術に対しても。
 
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