恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第百話 夏侯淵、定軍山に向かうのことその一
第百話 夏侯淵、定軍山に向かうのこと
夏侯淵がだ。曹操に命じられていた。
「それではね」
「はい、あの山にですね」
「一軍を率いて向かって」
曹操はこう彼女に告げた。
「わかったわね」
「わかりました。それでは」
夏侯淵は畏まって曹操の言葉に応える。
「すぐに」
「あの山は華陀も言っていたし」
「そうですね。ですから」
「一度見てきて」
こう言うのである。
「流琉も連れてね」
「あの娘もですか」
「後は」
曹操は考える顔でさらに言う。
「あちらの世界から何人かね」
「では秦兄弟にです」
「あの二人ね」
「はい、彼等はどうでしょうか」
「確かに性格には問題があるけれど」
曹操も秦兄弟の性格についてはよく知っていた。
「口が悪いしね」
「それが問題ではありますが」
「力は確かね。なら問題ないわ」
「はい、それでは」
「後何人か連れて行きなさい」
「では他にはレオナ殿やラルフ殿、クラーク殿も」
「そうね。彼等もいいわね」
曹操は彼等についてもいいとした。
そしてだ。あらためてだ。夏侯淵に言った。
「あと。忍者ね」
「忍者をですか」
「そうよ。忍者を一人連れて行きなさい」
「偵察の為ですか」
「いえ、違うわ」
「違うのですか?」
「その時になればわかるわ。そうなっては欲しくないけれど」
こうは言ってもだった。曹操はある程確信している顔だった。
そしてだ。こう言ったのだった。
「けれど何かあればね」
「その忍者が役に立ちますか」
「忍者は何かと役に立つしね」
「ではガルフォード殿でしょうか」
夏侯淵が名前を挙げたのは彼だった。
「犬達もいますし」
「その犬達の力も使えるわね」
「はい、ですから」
「いいと思うわ。ガルフォードもあれで口が固いし」
「口とは?」
「そうそう、言い忘れていたわ」
ここでだ。曹操はだ。
言葉を一旦切ってだ。それから夏侯淵に話してきた。
「何処に向かうかは内密よ」
「指揮官達以外にはですか」
「そうよ。その秦兄弟と軍人組」
レオナ達のことである。
「それとガルフォード以外にはね」
「そして流琉以外には」
「私もこのことは劉備と麗羽、美羽、孫策」
そうした今国を動かしている主だった面々には話すというのだ。
そしてだ。曹操は顔を顰めさせだ。この名前も出した。
「あと。司馬尉にね」
「あの方にもですか」
「仮にも三公よ。話さない訳にはいかないわ」
こう言ったのだった。
「だからよ」
「司馬尉殿ですか」
「まあわかるわ。後はね」
「後は?」
「麗羽達には兵を動かさないように言っておくわ」
「それは絶対にですね」
「つまり今兵を動かすのは貴女の率いる兵達だけよ」
曹操はこう話していく。そしてだ。
さらにだ。こんなことも言った。
「確かに定軍山は謎に包まれているけれど」
「はい、どういった場所か知られていません」
「けれどその周辺のことはわかっているわ」
「そうですね。あの辺りも益州になります」
益州ならばだ。どうかとだ。夏侯淵も話す。
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