八条学園騒動記
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第六百九話 カレーはそれぞれその八
「僕かなり近いと思うけれど」
「ああ、そうだよね」
シッドもそれはと頷いた。
「言われてみれば」
「殆ど変わらないよね」
「味も似てるね」
「うん」
実際にというのだ。
「本当に」
「そうだしね」
「似てるっていうか」
「そっくりというか」
「大して変わらない」
「そんな風ね」
「そうだよね」
シッドも言った。
「カレーシチューとビーフシチューは」
「うん、けれどカレーはルーでね」
「ビーフシチューはデミグラスソースだね」
「だから違うよ」
「そうだよね」
「ビーフシチューはね」
トムは少し考えながらシッドに話した。
「ハヤシライスかな」
「あれなんだ」
「強いて言うならね」
それならというのだ。
「そちらかな」
「そうなんだ」
「うん、僕が思うにね」
「ハヤシライスも美味しいけれどね」
「この食堂にもあるしね」
「高等部の方もあるし」
そちらのカレー用の食堂にもというのだ。
「それで人気あるよね」
「ハヤシライスもね」
「僕も好きだし」
「僕もだよ。あとね」
トムは弟にさらに話した。
「ビーフシチューから肉じゃがになったからね」
「カレーと一緒でイギリスから日本に入って」
「そしてね」
「肉じゃがになったんだよね」
「食材は同じで」
トムはその食材の話もした、ここでカレーの中の野菜を食べた。野菜は玉葱に人参それにジャガイモである。
その野菜達を見つつだ、弟に話した。
「牛肉にジャガイモ、人参に玉葱だよ」
「丁度カレーにも入ってるね」
「それでデミグラスソースじゃなくて」
食材は同じでもというのだ。
「お醤油と味醂なんだ」
「それでああなったんだね」
「汁気も少ないけれど」
この要素もあるがというのだ。
「調味料を代えてね」
「ビーフシチューが肉じゃがになるんだ」
「そうなんだ」
実際にというのだ。
「これがね」
「全然違うお料理でも」
「調味料が違うと」
それでというのだ。
「そうなるんだよ」
「成程ね」
「いや、カレーにも入ってるけれど」
エイミーは自分の野菜カレーも見た、見ればその三種類の野菜に加えて茄子やトマト、ズッキーニ等も入っている。
「どのお野菜も」
「だからカレーもだよ」
「調味料次第ってことね」
「それで肉じゃがになるから」
そうなるというのだ。
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