八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三百十話 帰ってからはその十五
「そこで自分の嫌いな人が当選したら」
「その時は」
「不正があったって負けた方が言うと」
「鵜呑みにするの」
「それで正義かとかね」
間違っても自分が贔屓している人に問題があるとは思わない、それがどれだけ色々悪名がある人でもだ。
「言うんだ」
「正義って」
「こうした時に正義を言う人は」
それこそだ。
「大抵独善だよ」
「選挙で負けた方が不正があるって言って」
「しかも根拠なくね」
「根拠がないなら」
「普通はおかしいと思うけれど」
「そう言うのね」
「こうこれって」
それこそだ。
「その時点で民主的じゃないと思うよ」
「選挙で負けた方が根拠なく不正って言ったら」
「もうね」
この時点でだ。
「おかしいのに」
「それを鵜呑みにしてなの」
「不正があったとか言って」
勿論この人も根拠なんて出さない。
「それを批判されたら訴えるんだ」
「民主的じゃね」
「ないよね」
どう見てもだ。
「それじゃあ」
「それで相手の人を民主的じゃないって言うの」
「もう鏡に言っている様なものだよ」
民主的じゃない人に民主的じゃない人が何を言ってもだ。
「もうね」
「鏡ね、それじゃあ」
「そう思うよ、ここまで来ると滑稽だよ」
「そうした人は」
「正直どうにもならないよ」
僕はこう思う。
「批判したら怒るんだから」
「訴えても来るし」
「こんな人は民主的でもないし」
それにだ。
「真の愛国かもね」
「疑わしいわね」
「日本を好きであることはいいことだよ」
自分の生まれ育った祖国だ、故郷を愛することは人間としてごく普通でそれがない方がおかしいだろう。
「けれどそれにはちゃんと学んで人格もね」
「学ぶことね」
「それがね」
まさにとだ。
「人としてのだよ」
「あるべき姿ね」
「そう思うよ」
こう香織さんに言ってだった。
僕は香織さんと一緒に八条荘に向かって帰っていった、その夜道にも雪が降っていて僕はその雪を見て香織さんにさらに話した。
第三百十話 完
2020・12・1
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